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保守系団体が抗議、慰安婦講演会キャンセルに 名古屋(1/2ページ)

2010年4月16日20時17分

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 名古屋市内で17日に予定されていた戦時中の慰安婦問題の講演会が、保守系団体の圧力で会場のキャンセルに追い込まれていたことが分かった。抗議を受けた貸しホール「桜華会館」(同市中区三の丸)の職員が主催者に相談し、主催者側がやむなく利用中止を決めた。今後、別会場での開催を検討する。

 講演会は、韓国在住の元慰安婦の女性を招いて証言を聞くもの。韓国併合100年の節目に、歴史を学ぶのが狙いだった。新日本婦人の会愛知県本部が主催し、2月に予約を入れていた。

 会館によると、最初に抗議があったのは今月10日。保守系団体のメンバーを名乗る約10人が突然、会館を訪れ、「なぜ、開催を認めたのか」「やめさせろ」などと、一人で応対した職員に要求した。サングラス姿の男性が「胸ぐらをつかんでもいい」など、脅迫めいた言葉を投げかける場面もあったという。

 桜華会館は、神田真秋愛知県知事が顧問を務める財団法人が運営しており、施設の一部は県が所有している。県遺族会連合会の事務所や、戦没者の遺品を展示する「平和記念館」も併設。10日以降も、「英霊を侮辱するのか」などと抗議電話があり、別の男性が訪れ、職員に「自決するか、会場使用を断るか」と迫ったという。

 その後、別の保守系団体の関係者から、講演会のある4階ホールの下の3階の会議室に予約が入った。団体に関連するホームページ上では、会議室で講演会に対抗するパネル展を開くことや、抗議活動への集結を呼びかける書き込みもされた。

 混乱を心配した会館職員は13日、婦人の会に連絡を取り、講演日に会館内や近くで勉強会や結婚式があることなどを説明し、「周辺に迷惑をかける可能性がある」と伝えた。婦人の会は14日、自主的に予約を取り下げた。会館の責任者は「キャンセルを求めたのではなく、混乱が予想されるので、どうされますか、と聞いた」と説明する。

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