オハヨー乳業の牛乳瓶を彩ってきた歴代の紙ぶたと、新登場のポリキャップ(奥)=岡山市中区、高橋正徳撮影
オハヨー乳業が今年3月まで製造していた紙ぶた瓶(左)と、新登場のポリキャップ瓶=岡山市中区、宮武写す
そもそも飲用牛乳全体に占める瓶のシェアは、60〜80年代に普及した紙パックに押され、今や1割未満(農水省統計)。各地の都道府県教委などによると、学校給食に紙ぶた瓶の牛乳が出る割合は、納入業者の設備更新の事情などもあって大阪(77%)や愛知(58%)では高いが、青森、神奈川、静岡、鳥取、広島、徳島、長崎、鹿児島ではすでに姿を消した。他も北海道1%未満、京都5%、東京23%などとおおむね少数派だ。
これにため息をつくのが紙ぶたコレクター。小学校時代に熱中したメンコがきっかけで現在までに4千種類近くを集めたという和田安郎(やすろう)・元仙台市科学館長(63)は「紙ぶたの瓶牛乳は、日本人の牛乳のイメージを形作ってきた。時代の流れだろうがやはり寂しい。メーカーは地域限定でいいから復刻版の瓶牛乳を発売し、低迷気味の牛乳人気を盛り返してほしい」と話す。(宮武努)