現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. その他・話題
  5. 記事

消えゆく牛乳瓶の紙ぶた 7割、ポリキャップに切り替え(1/2ページ)

2010年4月16日15時24分

印刷印刷用画面を開く

このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:オハヨー乳業の牛乳瓶を彩ってきた歴代の紙ぶたと、新登場のポリキャップ(奥)=岡山市中区、高橋正徳撮影オハヨー乳業の牛乳瓶を彩ってきた歴代の紙ぶたと、新登場のポリキャップ(奥)=岡山市中区、高橋正徳撮影

写真:オハヨー乳業が今年3月まで製造していた紙ぶた瓶(左)と、新登場のポリキャップ瓶=岡山市中区、宮武写すオハヨー乳業が今年3月まで製造していた紙ぶた瓶(左)と、新登場のポリキャップ瓶=岡山市中区、宮武写す

 メンコ、コマ、円盤飛ばし……。昭和の時代、子どもの遊び道具として大活躍した牛乳瓶の紙ぶたが、ポリエチレン製キャップに主役の座を奪われた。「すでに7割近くが切り替わった」とみる業界関係者も。コレクターは「一つの文化がなくなってしまう」と残念がる。

 岡山県の大半の公立小中学校で新学期から、給食に出る牛乳瓶の紙ぶたがポリキャップに切り替わった。県内で6割強のシェアを持つオハヨー乳業(岡山市)が容器デザインを一新させたからだ。

 同社は1956年の瓶牛乳発売以来、紙ぶたを使ってきた。しかし、飲み口をすっぽり覆うポリキャップの方が中身が漏れにくく、瓶が欠けるのを防げるうえ、キャップ自体のリサイクルもしやすいことから決断したという。県内では同業他社の多くもポリキャップや紙パックに切り替えているため、「給食で紙ぶたに接する子は今年度から1%ほど」(県の担当者)になった。

 社団法人日本乳容器・機器協会などによると、牛乳瓶の紙ぶたは大正時代末、王冠型の金属キャップに代わって登場。全盛時代が長く続いたが、1998年に業界大手の明治乳業が「宅配牛乳の飲み残しを冷蔵庫で保存するのに適している」とポリキャップを導入し、状況が一変した。

 再編前の雪印乳業が2000年、森永乳業が06年に切り替え始め、08年には日本酪農協同(毎日牛乳)も給食以外の牛乳瓶をポリキャップにした。地場メーカーでも移行が始まりつつあるという。

 長年、紙ぶた製造を請け負ってきた東京都内の加工会社は「10年前の製造量は業界全体で年間20億枚近かったが、今はその3分の1程度。今後も減りそうだ」とみる。グリコ乳業、協同乳業(メイトー)など紙ぶたを使い続けるメーカーもあるが、同協会の青島靖次顧問は「すでに少数派。統計はないが、おそらく瓶牛乳全体の7割近くがポリキャップに変わったのでは」と話す。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内