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2009/9/10 (協会報9月号より)
韓国在住外国人の国籍移動問題-「協会報」2009年9月号『調査部の視点』より転載
社団法人 日韓経済協会 調査・広報部長 金田 慶一 2009年5月1日現在 韓国の住民登録人口は、4959万3665人です。その内の110万6884人(2.3%)を外国人が占めています。この数字は前年の89万人から24.2%増えています。言い換えれば、韓国も多国籍人を抱える時代に入ったと言う事です。(参考までに海外に居住している韓国人は、約700万人と言われています)。その中で婚姻等によって在留外国人の国籍が移動する場合、特に韓国籍を喪失する際に、社会活動の制約を受けるケースが生じます。今回はその辺りの事例についてスポットを当ててみます。 韓国在留外国人の内、約10万人は未成年者であり、その中で6歳未満は約6万人(59%)です。これを国籍別に見ると、中国人が56.5%(総数約62万人のうち、71%は中国にいた韓国僑胞)、ベトナム/フィリッピン等東南アジアが21.2%、米国5.4%(内64%が米国にいた韓国僑胞)、日本2.4%、中央アジア1.8%の順です。前年からの伸び率で見ると米国が119%と最大です。 在留外国人の中で、韓国の国籍を取得している人は16.4%(181,414人)で、残り83.6%(925,470人)は国籍を取得していません。 韓国に来た理由は、勤労目的が57万5657人(国籍では中国・東南アジア・モンゴル等)、結婚が12万5673人、留学生は7万7322人の順です。 性別では男性が67.1%で、残りの女性(32.9%)は主に中国から来ている人が多く、女性全体の44.1%を占め、飲食店で働いている人が多いようです。 地域別に見ると、全国230の市・郡・区の中で外国人が1万人以上住んでいるところは、32か所あります。多い順に言うと、人数面ではソウル永登浦・京畿安山・ソウル九老・京畿水原(それぞれ3万人以上)となり、構成比率ではソウル永登浦・ソウルクムチョン・全羅南道霊岩等の順になります(当該地域での在留外国人比率は8%を超えます)。つまり、都市圏に集中して住んでいると言う事になります。 ここで問題となるのは、韓国人と結婚する為に韓国に来た外国人の場合です。結婚生活が続けば特に問題はありませんが、離婚した場合 本人の国籍が無くなる事があるからです。一度結婚すると本人の国籍(戸籍)は、自分の生まれた国の籍から夫の籍に移ります。しかしその後離婚すると、夫の籍から離れますが、その結果どこに行くかと言うことです。 その時は一時的には無国籍になりこれが問題なのです。無論、国際協約に基づき無国籍イコール難民の認定を受ける事が出来れば、旅行証明書を受け取る事が出来て、海外への出国は自由だし、国内では外国人として扱われるので問題はありません。 しかし国際協約締結(1992年)以前に韓国に来た人、特に北からの脱北者で韓国政府に認定されていない人は、大変な問題が発生します。入国当時難民に関する国際協約が無かった訳ですから、政府の正式な手続きを受けていないと、難民同等の権利を受ける事が叶わず、完全な無国籍人となり、旅券は勿論・健康保険等に入る事も出来ません。言い換えれば自分の名前で何も出来なくなるのです。 現在韓国法務部は、上述の様な事例に関して
●国内で無国籍者になる事例
●無国籍者が持てない権利
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