関係筋が15日明らかにしたところによると、米航空大手ユナイテッド航空の親会社UALはコンチネンタル航空と合併の可能性をめぐり交渉を行っている。ただ交渉は依然平行線のまま。別の関係者によると、この交渉は必ずしもUALが合併相手をUSエアウェイズからコンチネンタル航空に変更することを意味しないが、合併までには至らない提携維持を模索し、収入拡大を目指す可能性があるという。
UALとコンチネンタル航空は国内の提携ですでに一定の収入増の恩恵を受けているという。両社は提携により、毎年それぞれ1億ドル(約93億円)の増収があるとしている。世界最大の航空連合であるスターアライアンスに加盟しているユナイテッド航空、エア・カナダ、ドイツ・ルフトハンザ航空3社による大西洋便の提携にコンチネンタル航空が参加すれば、さらに増収が見込まれる。
UALとUSエアウェイズとの交渉は数カ月前に始まったが、ユナイテッド航空が米国内市場の一部でプレゼンスを高め、業務統合により両社の経費・間接費の削減につながるような提携で合意すれば、別の目的も達成される。UALのグレン・ティルトン会長兼最高経営責任者(CEO)とUSエアウェイズのダグ・パーカーCEOはいずれも、米航空業界の再編・統合の必要性を声高に主張している。
UAL、USエアウェイズ、コンチネンタル航空の3社は合併交渉についてコメントを控えている。
別の関係筋によると、合併によるコストと収入のシナジー効果は、コンチネンタル航空とUALの合併よりもUALとUSエアウェイズの合併のほうが大きいという。UALはコンチネンタル航空との合併による収入効果の3分の2をすで現在の提携から得ているためだ。またUALとUSエアウェイズの株主にとって、収入と経費削減による収益向上は、合併後の株式ベースがあまり大きくないため、大きなリターンも期待できるという。
シカゴを拠点とするUALは国内3位で発行済み株式の時価総額は39億ドル。ヒューストンを拠点とする4位のコンチネンタル航空は33億ドル。テンピ(アリゾナ州)を拠点とする6位のUSエアウェイズは12億ドル。