【社説】有事に軍トップへの敵襲報告が50分遅れたら(上)

 李相宜(イ・サンウィ)合同参謀本部議長が、哨戒艦「天安」の沈没に関する最初の報告を受けた時刻は、発生時刻の3月26日午後9時22分から49分後の同10時11分だったことが明らかになった。金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は合同参謀本部議長より3分遅い同10時14分に報告を受けたという。韓国の軍首脳部は海軍の1200トン級艦船が真っ二つになった事実を50分間も知らなかったことになる。有事に50分と言えば、敵がソウル近郊に進撃するのに十分な時間だ。

 「天安」の乗組員は6分後の同9時28分に第2艦隊司令部に救助を要請し、同司令部は3分後の同9時31分に海軍作戦司令部に報告を上げた。そして、同9時40分には西海(黄海)の海軍・空軍に最高レベルの警戒態勢「西風-1」と「対潜警戒態勢A級」が発令された。海軍作戦司令部は同9時45分に緊急状況を合同参謀本部に報告し、合同参謀本部は同9時51分に大統領府危機状況センターに沈没の事実を伝えた。李大統領は同10時に緊急に安全保障関連の閣僚会議を招集した。これらの動きは、国防部長官と合同参謀本部議長が知らない状況で展開した。

 金国防部長官は14日、国会での答弁で、「合同参謀本部の指揮統制班長(大領=大佐に相当)が合同参謀本部議長と国防部長官に報告するのを忘れた」と説明した。合同参謀本部の規則によれば、敵の侵入、敵との交戦、大規模な人命事故など17項目の緊急状況は、合同参謀本部の指揮統制班長が国防部長官と合同参謀本部議長に直ちに報告することになっている。有事またはそれに準じた状況では、迅速な報告が戦闘初期の勝敗を左右する。それにもかかわらず、合同参謀本部は最も基本的な規則すら守ることができなかった。

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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