ショタコン初摘発、少年わいせつ映像販売

　モデル募集と称して少年を勧誘し、裸体を撮影し、インターネット上で販売したとして、埼玉県警少年捜査課は１５日までに児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで、川崎市のウェブデザイナー小林葉介被告（２９）と１９歳の少年３人らを逮捕した。少年わいせつに関連した、いわゆる「ショタコン」ＤＶＤ製造・販売組織の摘発は日本初。小林被告は「少年愛は崇高な世界」と言い張る一方で、７年間で約５７００万円を荒稼ぎしていた。

　埼玉県警少年捜査課は１５日、少年のわいせつ映像を撮影、ネットで販売したなどとして、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で東京都足立区の男子大学生（１９）、千葉市の会社員（１９）を逮捕した。同時に４日に横浜市の男子大学生（１９）を逮捕したことと、すでに起訴されている少年わいせつ映像販売サイト「ボーイズオンライン」を運営していた小林被告を５日に再逮捕していたことも発表した。

　１９歳の３人は、もともと小林被告にわいせつ映像を撮影された被害者だったことも明らかになっている。「ショタコン」と呼ばれる少年わいせつに関連した犯罪組織の摘発は日本で初めて。

　昨年９月に同課がネット上で「ボーイズオンライン」を発見。１８歳未満の男児を対象にモデル募集を行い、ショタコンＤＶＤを製造して、１万３０００～３万２０００円（２枚組み）で販売した疑い。同サイトにはすべて別人モデルの５４作品が展示・販売されており、被害者が特定できた１２人について詳しく調査した。

　逮捕容疑は０８年８月から昨年１２月にかけ、モデル応募してきた中学２年の男子生徒（１３＝東京都港区）と高校３年の男子生徒（１８＝青森市）が１８歳未満と知りながら、わいせつな映像を撮影した疑い。中２生徒の映像には小林被告自ら出演し、陰部を触るなどの行為もしていた。出演料として少年らには２万～３万円を渡していたという。

　小林被告は「金を稼ぐ目的もそうだが、少年愛の崇高な世界を世に広めたかった」などと供述。日本語以外に中国語、英語のサイトも運営し、ＤＶＤ購入はアゼルバイジャンの会社が実行するとして、サイト上で違法性はないと主張していた。関連サイトは総計５９で、小林被告はそれぞれに違う名前で運営。日本で開設した銀行口座は０３年１２月から今年２月まで、１５２８人から１７３４件、約５７００万円の入金があった。

　小林被告はサイトで「少年に対するやりきれない思いをうちのサイトを閲覧いただくことで少しでも和らいでいただければ（中略）『少年大好き』な気持ちを大切にしてください」と主張していた。

　◆ショタコンとは　１９８０年代に登場した言葉。少年に対する偏愛嗜好（しこう）を持つ男性、またはその行為などを意味する。「正太郎コンプレックス」の略称。人気漫画「鉄人２８号」の主人公少年「金田正太郎」が肌にピッタリした半ズボンをいつもはいていることから、半ズボンの似合う小学生男児に興味を抱く象徴として発生したものと考えられている。

　［2010年4月16日10時45分　紙面から］