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告白、驚き…反響162件2月12日付朝刊から8回にわたり掲載した連載「性暴力を問う 被害者たちの叫び」には、手紙やメールなど162件の反響が寄せられた。その3割は、被害を経験した人たちから。「数十年間、誰にも話せなかったことを初めて書きます」。長い沈黙を破っての告白もあった。性被害の深刻な影響に対する驚きの声、「加害者が許せない」という男性からの意見も目立った。一部を紹介する。 ・
人生を奪われた 〈2度命をあきらめようとしましたが、そのたびに助けられ、仕方なく生きている状態です〉。10年以上前に 〈私を助けた人に言いたい。『フォローも何もできないくせに』。でも放っておかないで。話を聞いて。これも本音。本当は、あんなやつのために死にたくない。被害者の心は生きている間中、ずっと叫び続けていると思います> 50歳代の女性は、高校時代に集団強姦に遭い妊娠、両親に黙って中絶した過去を手紙で明かした。優しい夫と巡り合い、結婚したが、体を求められるたび涙に暮れた。フラッシュバックに襲われ、統合失調症で入退院。それでも、被害は家族に明かしていない。 <主人にごめんなさい。娘にも初めての赤ちゃんじゃなくてごめんなさい。皆を欺き、ひどい女だと思うと泣けてきます>。そして、<たった一度のことで、心に病を抱え、取り返しのつかない人生にされた>と締めくくった。 兄や同僚から被害を受けたという女性は、<もう異性を好きになれない。仕事どころか、生活もまともにできません>と憤り、<被害を語るまでに時間がかかります。時効の廃止を願ってやみません>と訴えた。 痛みに寄り添う兵庫県の主婦(71)は、息子の妻が幼少期に受けた被害を、最近知った。<幻覚を見て、悪夢にうなされていることは聞いていましたが、性暴力による心因性のものと診断されて驚きました>。被害が原因で、妊娠できない体にもなっていたという。 <心優しく気遣いのできる彼女が、私は大好き。『孫を産めなくてごめん』なんて言わなくていい。心の傷が癒え、幸せな人生を歩めるよう祈っています> 数年前に、実名で被害を公表した松山市の柳瀬経子さん(62)は、〈数十年間、隠してきましたが、公表したことで少し楽になりました〉と半生を振り返った。 中学時代、集団による性的暴行の被害に。自傷行為を繰り返し、自殺も考えた。普通の結婚はできないと、21歳で暴力団員と結婚、「極妻」として生きた。離婚した今は、月に1度、自宅を開放して被害者らの悩みを聞いている。 〈語ることで心の安らぎが得られる人もいるはず。同じ痛みを分かちあうことで、立ち直ることができれば〉 何をすべきか兵庫県西宮市の女子大学生(21)は、<被害者の生きづらさが、これほどとは……。まず私たちが耳を傾けなければ。被害者だけが助け合う社会であってはならない>と意見を寄せた。 <身近な人が被害に遭った時、支えられるか>と自問したという、広島県福山市の会社員男性(41)。<男性は、周りの命を守るべき存在だと思うが、性犯罪では女性の命を傷つけている。男に生まれた意味を考えさせられた>とつづった。 ◆
多数のお便り、ありがとうございました。今後も様々な視点から性暴力に関する問題を取り上げていきます。 (性暴力問題取材班)
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<孤独に過去と闘い続けている><今を 未来を 幸せに生きたい>今も苦しんでいますが、現状を話せる人は1人もいません。「いつまでも過去に固執している」と思われたくない。時がたつにつれ、周りに「助けて」「つらい」が伝えられなくなり、孤独に過去と闘い続けている人は多いのでは(大学時代に強姦の被害に遭った20歳代女性) ◆
心の中に苦しい思いが塊となっている。男性をだれも信用できず、恋愛はできませんでした。親の薦めた人と結婚しましたが、心から愛したことはありません(兄から被害を受けていた60歳代女性) ◆
「怖くて声も出ない」感覚は、当事者でないとわかりません。とにかく早く済むことを願う――。その間にプライドも何もかもずたずたになるのです(小学生時代に被害に遭った女性) ◆
優しい主人と子どもと幸せに暮らしています。過去は話していません。今を、未来を、幸せに生きることに残された人生を費やしたい(幼少期に性的虐待を受けた30歳代女性) (2010年3月3日 読売新聞)
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