ブラック会社に勤めているんだがよしだはもう限界だった~救世主現るno.3~

テーマ:ブラック会社 posted by ai-project 2010年04月15日(木) 00時02分23秒
過去ログ
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I子先生がいなくなって、たった一人の「社内システム管理室」

携帯電話の着信履歴を見ると、I子先生からたくさん電話がかかってきていた。

かけ直す気にはなれない。メールを見ると、

「よしださん、ごめんね。もしよかったら、一緒に仕事をしない?」

とあった。

ほとんど相談も無く、会社を去ってしまった上司に付き合うほど、お人よしではない。

しかし、世話になったのは確かなので丁重にお断りを入れた。

工作員 Kからもメールが来ていたが、完全に無視。

会社のデスクに向かってひたすら時間が経つのを待つ。


会社の状況も好転せず、ダラダラと時間が過ぎていった。


そんな状況に待ったをかけたのは、ヤクザ社長だった。

まず、そもそもの問題はなんでこんな大事になってしまったのか。

情報漏えいの不始末。

20代半ばの小娘が気づくほど答えは単純だった。






























圧倒的な技術力の無さ


無知とは罪である。

この会社のすごいところは、無知ならば勉強しようではなく。

無知ならば知ってる人を探そう。というスタンスだった。

できなければ全部外注する。無知ゆえに無駄も多かった。

だが、あながち間違ってもいなかった。

わけも分からず採用された、プログラマのN男。

今度こそプログラミングができるプログラマだった。

最初こそ一開発者として、まったりとPCに向かうN男だったが、入社二ヶ月ほどで彼の転機は訪れる。


この頃には、プログラミングができないプログラマの小川は、社長に部長に先の情報漏えいの対策について詰められていた。

答えに窮した小川は、しばしばよしだのところに来て愚痴を言いつつ情報を聞き出しては、報告をしていた。

これ以上の損害は許されない。そのため、社長にしては太っ腹の予算を打ち出し、小川に新しいシステムの構築を命じた。

しかし、小川は困惑した。

どんなシステムを組んだら良いのかわからなかったからだ。

そんな時、彼の隣にいたN男に白羽の矢が立った。

小川は、知識のあるN男を擁立。彼に任せれば大丈夫と根拠のない太鼓判を押した。

N男もまた困惑しつつも、この大抜擢に答えることになる。

しかし、彼も万能ではない。

ゲーム業界の事はよくわからない風であったし何よりこの会社に入って間もない。

それにネットワークやハードについては自信が無かったようだ。



一方、よしだは完全にやさぐれていた。



特に仕事も無いのに仕事場にいるのはかなりの苦痛である。

K子に見つからないよう、サーバルームでDSでドラクエをやってみたり、モンハンをやってみたり。

とにかく暇だったし、誰とも顔を合わせたくなかった。

案の定、K子は「よしだがサーバルームでさぼっている」と噂を立てていたが、もうどうでもよかった。


工作員 Kにしてもよくサーバールームのドアを叩いたが、予定があると言って誘いを断り続けた。

折角いい気持で寝ているところに、入室権限のある小川が入ってくるのが気になるくらいだ。

唯一、タメになっているといえば、
読書が大好きなので、そこらへんにある技術書はあらかた読み終わり、面白そうな技術書を探してきては読みふけり、時間を潰していた事くらいだろう。

N男とはほとんど接触がなく、こちらも面倒に巻き込まれるのはまっぴらだった。

「初めてのN男さん」は、よしだが怒られそうも無い人のPCに。と思い、リモートで勝手にとあるPCにプログラムを流し込んだ時の事だ。

焦ってサーバルームのドアを叩いたN男さんに、よしだは

「すいません。ちょっと実験台に…」

と言った。

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