小沢氏関与、どう判断 規正法違反で不起訴 検審、月内にも結論
4月9日7時56分配信 産経新聞
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検察審査会の審査の流れ(写真:産経新聞) |
特捜部は2月4日、陸山会が平成16年10月に東京都世田谷区の土地を購入した際、土地代金の原資4億円を収入として政治資金収支報告書に記載しなかったなどとして、衆院議員の石川知裕被告(36)ら小沢氏の現・元秘書3人を規正法違反罪で起訴。石川被告の共犯として告発されていた小沢氏については「共犯として有罪判決を得るだけの証拠はない」として嫌疑不十分で不起訴とした。
これに対し、東京都内の市民団体が2月12日、小沢氏を起訴するよう検審に申し立てを行い、検審が不起訴の是非を審査している。
検審は特捜部から事件の記録の提出を受け、審査を開始。記録には土地代金の原資4億円を収支報告書に記載しないことを小沢氏に相談、了承を得ていたという石川被告の供述調書や、虚偽記載への関与を否定した小沢氏自身の供述調書も含まれているとみられる。
検察審査会法に基づき、検審は担当検事から説明を聞くことができる。関係者によると、今月6日には、特捜部検事が小沢氏を不起訴にした理由や、提出した証拠について説明したという。検察幹部は「小沢氏の関与を認めた石川被告の供述調書が一般国民である審査員にどう評価されるかがポイントになるだろう」と指摘している。
検審の審査員の任期は6カ月で、2月、5月、8月、11月に、11人のうち約半数が入れ替わる。小沢氏の不起訴処分を検討する東京第5検審では6人の任期が4月末となっている。このため「新しいメンバーに替わると、記録を一から整理し検討し直さなければならない。通常は任期までに審査を終えるケースが多い」(検察幹部)といい、小沢氏への民意による判断は4月中にも出されるとの見方が強まっている。
■過去2度の強制起訴
政権与党では鳩山由紀夫首相側の政治資金規正法違反事件に続く、小沢一郎幹事長側の「政治とカネ」の事件。昨年5月の改正検察審査会法の施行で、起訴権の行使に民意を反映させるため、強制起訴ができるようになった検審の判断に注目が集まっている。
検審では有権者の中からくじで選ばれた11人の審査員が不起訴の是非を検討し、「起訴相当」「不起訴不当」「不起訴相当」のいずれかの議決を出す。起訴相当は8人以上、不起訴不当と不起訴相当は過半数の議決が必要で、起訴相当か不起訴不当の議決になれば検察官が再捜査し、処分を再検討する。
起訴相当の議決を受け、再び検察官が不起訴にしたり、3カ月以内に結論を出さなかったりした場合は検審が2度目の審査を行う。再び起訴相当の議決をした場合、法改正前は検察官がさらに不起訴にすると起訴されることはなかったが、改正後は裁判所が選ぶ「指定弁護士」が強制的に起訴することができるようになった。
一方、1度目が不起訴不当だった場合は、検察官が処分を再検討するものの、不起訴となれば検審は再審査をすることはできない。
また、同法35条には検審の要求があるときは検察官が必要な資料を提出し会議に出席して意見を述べることが義務づけられている。ある検察幹部は「審理の終盤で検察官の意見聴取が行われることが多い」と話しており、検察官への意見聴取が行われれば議決が近いとの見方がある。
改正法施行後、兵庫県明石市の歩道橋事故で明石署元副署長が、同県尼崎市のJR福知山線脱線事故でJR西日本の歴代3社長が、検審の2度の起訴相当議決を経て強制起訴されることが決まっている。
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最終更新:4月9日12時54分
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