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【三重】

自転車利用者4分の1が違反 昨年9月〜2月、県警調査

2010年4月9日

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 県警が県の緊急雇用対策事業として実施した自転車の交通違反調査から、違反率の高さや違反の種類別の多発場所、違反者の年齢、性別などの傾向が明らかになった。県警は結果をまとめた報告書を作り市町や企業に配布。事故防止に向けた啓発活動などに活用してもらう。

 調査は自転車の交通事故が絶えないことから、交通ルールやマナー違反の実態を知り、取り締まりに役立てるために全国で初めて実施した。県交通安全協会に委託し、不況などで失業した12人を調査員として雇用した。昨年9月からことし2月末まで、県内全域の380カ所で計3万6000台を調べた。

 全体の調査結果によると、調べた自転車のうち4分の1が、道路の右側通行や複数で並んで走る(並進)など何らかの違反をしていた。さらに、個別に調査した交差点での一時不停止は2101台中、60%を超える1305台にみられ、違反率が最も高かった。夜間の無灯火や雨天時の傘さし運転も調査した台数の約半数に上った。

 交通量や道幅、運転者の年齢や性別によって、違反数に違いがあるかどうかも分析した。道幅が狭い方が一時不停止の割合が高いことや、小学生以下に義務づけられているヘルメット着用は、男児より女児で着用していない人が多いといった特徴も分かった。

 県警交通企画課の担当者は「自転車の交通違反はよほど悪質でない限り、警告にとどめる場合が多い。罰則の存在すら知らない人も多く、違反率の高さの原因になっている」と指摘。「調査結果は取り締まりだけでなく、学校などの安全教室の指導にも役立てたい」と話している。

 (古谷祥子)

 

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