飼育中のトキが小動物に襲われた新潟県の佐渡トキ保護センターで、14日夜にテンが捕獲されたことを受け、環境省は、侵入経路を特定するため、金網の透き間に残されていた動物の毛がこのテンのものかDNA鑑定を行うことを検討しています。
新潟県佐渡市の佐渡トキ保護センターでは、先月、ケージで飼育されていた9羽のトキがテンとみられる小動物に襲われて死にましたが、14日夜、全長60センチの雄のテンがわなにかかっているのが見つかり、捕獲されました。環境省は、このテンがどこから入ったのかを特定して再発防止に生かそうと、透き間の金網などに付いていた小動物の毛が、捕獲されたテンのものかどうかDNA鑑定を行うことを検討しています。また、ほかにもテンがいる可能性があることから、当面の間、職員による監視やわなの設置を続けることにしています。環境省では当初、5月をめどに新たにトキ10羽程度をケージに入れて自然に慣れさせる訓練を再開する計画でしたが、今のところ、予定どおり訓練を再開できるか見通しはついていません。今回の問題をめぐっては、テンの生態や建築などの専門家などでつくる委員会が、設計や構造に問題がなかったかや再発防止の方法を議論していますが、ケージには金網の網目より大きな透き間が260か所以上見つかっており、どこまでふさぐ必要があるかが焦点の1つになっています。環境省は今月末までに委員会の報告を受けて、具体的な再発防止策を決めたいとしていますが、ことしの秋に自然への放鳥ができるかどうかはなお不透明です。