あまり公表したくないが、出身は九州の佐賀県である。吉野ケ里遺跡があり、地元は「卑弥呼の里」と宣伝。中学や高校の授業では、魏志倭人伝が登場すると、先生は邪馬台国九州説を唱えていたように思う。
魏から渡来した使者が王のいる場所を訪ねた。聞かれた住民は高台を指さし言った。「あそこの山たい」。それがヤマタイ国の由来。そんな郷土史家の本も読んだ記憶がある。といった具合で、何となく九州説は「そうじゃないかな」と思って育った。
だが今春、転勤で初めて奈良に足を踏み入れた瞬間、考えが一変した。佐賀とは遺跡旧跡の数、文化のレベルが違い過ぎる……。これからじっくり探訪してみよう。(山田)
毎日新聞 2010年4月13日 地方版