「またか」と思った。業者に印刷を依頼していた異動あいさつ状の送り主が「大久保昴」となっていたのだ。ささいな間違いなのでスルーしたが、私の名前は正しくは「昂(あきら)」である。
変わった名前を授かった宿命で、この手の間違いは日常茶飯事。入社時に支給された名刺の表記も間違っており、当時の上司に「お前の記者人生を暗示している」とからかわれた。取材では相手の名前を間違えないよう何度も確認している。
現在の名刺は正しい表記だが、先日あいさつした奈良市議には「谷村新司やな。覚えたわ」と言われた。間違えられるのは相変わらずでも、相手の記憶に残るのなら悪くはない。(大久保)
毎日新聞 2010年4月14日 地方版