なぜか無視される「生産額ベース自給率65%」という数字web R254月 6日(火) 12時 5分配信 / 国内 - 社会農林水産省によれば、食料自給率とは「国内の食料消費が、国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標」で、個別の品目によらない総合的な自給率を表すものとして「カロリーベース総合食料自給率」と「生産額ベース総合食料自給率」があります。で、広く世間に流布しているのは「カロリーベース」の方。計算式にすると、 1人1日あたりの国産供給カロリー ÷ 1人1日あたりの供給カロリー となり、最新値である2008年の数字を見ると、分子が1012kcal、分母が2473kcalで、自給率は41%です。一方の生産額ベースは、 食料の国内生産額 ÷ 食料の国内消費仕向額(国内で消費される食料の生産額) で、同じく08年の数字なのに分子10.0兆円、分母15.3兆円で自給率65%と、ずいぶん高くなります。しかし、こちらの数字が表立って報道されることはほとんどありません。もともと食料自給率は、1965年から生産額ベースだけで発表されていたのに、83年にカロリーベースがひょっこり現れて以降、生産額ベースの自給率はすっかり影が薄くなってしまいました。結果、「40%」という数字だけが刷り込まれ、国民のあいだには漠然とした自給率への不安が募り、農水省には巨額の「自給率向上対策費」が割り当てられるようになりました。 そもそも、我が国では「自給率」が幅を利かせていますが、実は自給率を計算しているのは日本と韓国だけで、諸外国ではまったく問題視されていません。よく日本と比較される主要先進国のカロリーベース自給率も、農水省がFAO(国際連合食糧農業機関)の統計から“独自に”はじき出したものです。さらにいえば、日本の数値が高めに出ている生産額ベースでの各国比較は、不自然なほど話題になりません。まるで「日本は先進国中最低の自給率!」といいたいがためのデータのような、作為的なものを感じてしまうんですよね…。 (R25編集部) ※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびR25.jpから一部抜粋したものです ※一部のコラムを除き、R25.jpでは図・表・写真付きのコラムを掲載しております 【関連記事・情報】 ・ 足立区が「課」創設で話題! 「シティプロモーション」とは? (2010.03.18) ・ データ分布を視覚化してみると、実感に近づきます (2010.03.23) ・ 飼い主心を巧みにくすぐる 「犬の住民票」が大好評! (2010.03.18)
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