それに付随して、マシン解説やチーム事情やドライバーインタビュー他が加わる形です。
多くのモータースポーツ報道を見ていると、やっぱりメーカー絡みの情報源から得るネタを報じる関係上、見せたいけど見せられなかったり、あるいは取材自体にも制約があったり、なかなか思い通りには行かないものです。
また、あるレースシリーズが上手く行っていなかったり、明らかにおかしな運営になっていたりしても、取材させていただいている側からは何も出来ないことが多いのも実情です。
モータースポーツはすべからずスポンサーによって成り立ってるから、スポンサーの意向というものも大変重要です。
取材して、書きたいことを書いたはいいが、スポンサーに嫌われると広告出稿を停められたら最悪ですから。
プロ野球やJリーグの報道のように、書きたいようなタイトル付けてやれたら楽しいんでしょうけどね「トヨタよたよた」とか(笑)
そう言う意味では、商業ベースで成り立っているモータースポーツ取材というのは、メーカー、スポンサー、そしてチームも含めて制約の雨あられとも言えます。
じゃあ「商業誌では書けないネタは、闇に葬られるばかりなのか?」と疑問も湧きます。
サーキット便り。という展開に於いては、例えばミシュラン(大広告主だ)が怪しいタイヤを使っているらしいよとか、USではダメダメタイヤで大顰蹙だよとか報じて来ました。
またホンダやトヨタのF1参戦時にも「ホンダの腰抜け」とか、書きたいように書いて来た。
そしてそういう忌憚のない、読者と同じ目線の記事が人気を博した部分もあったようです。
時効だからはっきり書いておきますが、富士の悶着の時とその後、大トヨタさんから圧力があったとか、そう言うことは一切ありませんでした。
あの時、大きな力が働いて、幾つかの取材企画がお蔵入りになったのですが、それらは全て出版社上層部が大トヨタさんを恐れ、自主規制した結果だったのです。
僕から見れば、それは「大きな力が働いた」と思いました。
そんなこんなで、書きたいことを書くのにはそれなりのリスクと度胸がいるのですね。
僕のF1取材最後の年には、幾つかのグランプリに全額出版社持ちで取材に行きました。
「長年の功績を考えて、少ない取材数だけど全額出すから行って来て下さい」と快く送り出されました。
でもその時。
僕の取材は「手足を縛られた状態」で笑っちゃったのを思い出します。
僕が自分のカメラで撮影した全ての画像は「全額出版社持ちの取材だから」ということで、本誌への提供以外のあらゆる使用が制限されました。
つまり、サーキット便り。はもちろんのこと、自分の日記やブログにさえも画像を使ってはならないという条件がついていました。
当時のブログを見ると、友人のカメラマンやジャーナリストが撮影した画像で、かろうじて展開しているのが分ります。顔の表情が楽しくなさそうでorz、今見ると大変だったんでしょうねえ(笑)
その10年以上前からネットでのF1報道をいち早く導入し、アクセス数も国内のサイトとしては圧倒的な数字を持っていたサイトの主宰者に、画像使用を制限するということは「行くだけ、行って取って帰って来て下さい」と言われているも同然でした。
それでも行った。
行くことに意味があると思ったから行った。
そして少なからず文字情報での問題提起などをして帰って来たんでした。
書きたいことを書く。
載せたい写真を載せる/
簡単なことです。
でも今の出版事情を考えると、誌面でそれを行うのは難しいことが多すぎます。
このほど、長年日本国内レースのご意見番的存在的なジャーナリスト2人が、書き手の側からの新しいアプローチを始められるそうです。
「RACING VIEWS」というプロジェクトです。
発起人は “あの” 石井功次郎氏と大串信氏。
2人とも腹にイチモツ持ち、一本筋の通った記事を展開し続けて来ている方々です。
凄く楽しみにしております。
Twitter上での情報提供と、HPでの詳細情報提供があるようです。
まず、Twitterアカウントをお持ちの方は、フォローしましょう。
そして次にHPに行き、是非ともHP下部にある「主義主張とお願い」を読んで下さい。
面白いです。
そして、冒頭にも書かれていますが、素晴らしく長文。
長年レース業界で取材を行って来た2人だから書ける「主義主張」ですかねー。
HPの内容の方も、凄まじい長文が続いて「ああ、そうか。文量に制限のない環境で、書きたいことを書けるだけ書いて行く」という1つの方向性が垣間見えます。
ネットって長文少ないですし、雑誌だととかく文量制限がありますので、しっかりと事情を読み込みたい人には最高の情報源になりそうです。
偏向報道とか謙遜してますが、偏向報道こそが読みたい僕には朗報です。
頑張って下さい。