マッコリ（韓国式濁り酒）人気が急上昇し、ホテルや銀行、アウトドアブランドといった「高尚な」イメージの企業まで、マッコリ・マーケティングに乗り出した。

　ロッテ・ホテルは3種のマッコリの味を試飲できる「マッコリ・フライト」を用意した。これは元々外国人のためのマッコリ試飲イベントだったが、反応がよかったため、最近固定メニューに定めた。今月末にはホテル内のパブ「ボビー・ロンドン」に「アメージング・マッコリ・ゾーン」という専用バーを設置する。全国各地の伝統マッコリ9種を選定し、客のハートをつかむ考えだ。

　ソウル市江南区のリッツ・カールトン・ホテルとインペリアル・パレス・ホテルは、ルームサービスでマッコリを販売している。ホテルの関係者は、「韓国人ばかりでなく、日本人観光客やビジネスマンが、日本で人気のマッコリを本場で味わうケースが多く、販売することになった」と語った。マッコリのおかげで、海鮮チジミや豆腐キムチといった伝統料理の売れ行きも好調とのことだ。

　銀行業界もマッコリ・マーケティングに取り組んでいる。ハナ銀行の「生マッコリ・ハナ積金」は、通常の積み金より0.2％金利が高い。家族や友人とマッコリを味わっている写真や思い出の白黒写真、通帳にマッコリを味わうというサインをすれば、同積金に加入することができる。さらに加入者には、抽選で60人にマッコリ醸造体験ツアーをプレゼントする。

　コーロン・スポーツは最近、麹醇堂と共同で、「下山酒はマッコリで！」というスローガンの下、マーケティング・イベントを実施している。北漢山、道峰山、南漢山城、黔丹山のふもとにあるコーロン・スポーツの売り場では、下山した人々に麹醇堂の缶マッコリを無料で配布している。麹醇堂の関係者は、「これまでマッコリに対して否定的なイメージを抱いていた企業が、われ先にと共同マーケティングを提案しており、時代の移り変わりを感じる」と話した。

金徳翰（キム・ドクハン）記者