国家公務員の試験問題に全教組の「発起宣言文」!?

受験者「公務員になるために、全教組のことまで勉強するのか」

行政安全部「常識を問う問題だ」

 「今日、この場に集まったわれわれは、心を一つにし、全国教職員労働組合(全教組)の結成のために、力強く歩み出すことを厳粛に宣言する」

 1989年5月14日、全教組が発起人大会を開いたときに読み上げた「発起宣言文」の一部が、今月10日に行われた国家公務員9級(日本の国家公務員3種に相当)の採用試験で出題され、物議を醸している。全国160カ所の会場で、14万1343人が受験した大規模な試験、それも政治的な中立を期さなければならない公務員試験の問題に、全教組に関する問題を出題することが、果たして適切なのか、というわけだ。

 論議を呼んでいる試験問題は、韓国史の7番の問題で、「以下の内容の宣言文を、古い順に正しく並べた選択肢はどれか」というものだ。ここに引用された四つの宣言文の一つが、全教組の発起宣言文だった。

 受験者たちは、「公務員になるために、全教組のことまで勉強しなくてはいけないのか」と不平を漏らしている。Cさん(37)は「国家公務員の採用試験の内容が、あまりにも左寄りではないか、と思った。公務員になるために、全教組の創設宣言や、その時期まで勉強しなければいけないというのは、まったく理解に苦しむ」と語った。

 これに対し、行政安全部のキム・ソンギョム試験問題課長は「今回の問題は、全教組がいつ発足したかについて、ほかの事象と比較して答える、常識を問う問題だ。“全教組”という単語が試験問題に出てきたからといって、問題視する方がおかしい」と反論した。

 国家公務員9級の採用試験の問題は、出題委員らが2週間ほど合宿して、過去の試験問題の中から選ぶという形で作成されている。なお、行政安全部の関係者は「試験問題の出題委員の身分を明かすことはできない」と話した。

金成謨(キム・ソンモ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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