【社説】天安切断面はありのまま公開すべき
哨戒艦「天安」の船尾部分はすでに水深の浅い位置に移されたが、この作業を指揮した88水中開発代表のチョン・ソンチョル氏は今月12日、「(天安が何かに)衝突したのであれば、非常に強い衝撃だったはずだ。(切断面は)きれいどころか、ボロボロだった」と発言した。また、行方不明者家族協議会代表で元海軍将校だったキム・テウォンさんは、本紙とのインタビューで、「爆発は左舷下方で起こったようだ。左舷1階の機関操縦室にいた将兵は全員が行方不明となっているが、右舷地下1階の寝室にいた乗組員たちは全員が助かった。これは魚雷によるものだと思う」と述べた。
船尾を移動させる過程で、海面上に一部姿を現わした天安は、煙突が破損して流失し、追跡レーダー室の左側鉄板は完全にへこんでいた。また、煙突の後ろにあった艦対艦ミサイル2基と魚雷3発は流失して見当たらなかった。しかし、船尾の甲板上にあった76ミリ艦砲はそのままの状態だったことから、この艦砲のすぐ下にある弾薬庫にあった艦砲弾が爆発した可能性はほぼない。船の船体が疲労破壊で切断されたとか、岩礁に衝突して切断されたのであれば、船の上部にあった構造物が破壊され、切断面がボロボロになり、ミサイルや魚雷が流失した事実を説明することはできない。つまり、残る可能性は外部からの強力な爆発の衝撃以外にないということだ。
船尾を浅い海に移動させる際、民間の専門家は、「直径9センチのチェーン2本あれば十分」として、直ちに引き揚げるべきと主張していたという。しかし海軍は、数日かかったとしても、チェーンをもう1本設置した上で、安全かつ確実に引き揚げる方法を選んだ。引き揚げ作業は早いほど良いが、より重要なのは、安全で確実ということだ。風と波の影響でチェーンが切れたり、引き揚げ作業中にバランスを崩して事故が起こるようなことは、絶対にあってはならない。
切断面の公開についてもさまざまな意見がある。軍の一部からは、「将兵の遺体がカメラなどで撮影されると、家族に対してさらに大きな衝撃を与える結果となり、船の破壊された部分が公開されれば、軍の士気に悪影響を及ぼす」として反対しているという。また、「船体内部の構造は露出させるべきでない」という主張もある。しかし結局は、最大限の誠意を尽くして行方不明者を捜索し、切断面を公開することが望ましいだろう。天安の内部構造はすでに公表されているのだから、切断面が露出したからといって、軍事機密が漏れるという主張には無理がある。
天安の沈没原因については、数々の流言飛語や仮説が飛び交っていたが、将兵たちが7日の会見で生々しく証言してからは、多くの疑惑が解消された。同じように、国民に対して天安の切断面を事実のまま示せば、無用な憶測も出なくなる。李明博(イ・ミョンバク)大統領は「調査結果が出たら、断固とした措置を取る」と何度も発言してきた。政府が本当に断固とした対応を行うには、国民が一つになることが前提だ。国民の団結は、国民が政府と軍の措置に全幅の信頼を置くときに可能となる。政府は何かを隠そうとするかのような行動を取るべきではない。
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