ショートトラック:渦中の李政洙が会見

李政洙(イ・ジョンス)は13日の会見で、「バンクーバー五輪や世界選手権でコーチ陣から出場を放棄するよう強要された」と主張した。/写真=チェ・ムンヨン記者

チョン・ジェモク・コーチ「出場放棄を強要したことはない」

当事者が互いに潔白を主張

 誰の言い分が正しいのだろうか。昨年のショートトラック代表選考会で、「談合」が行われたとする疑惑の真相解明を前に、関係する選手やコーチ陣の誰もが「自分に責任はない」と潔白を主張している。数日前に行われた大韓体育会の監査でも、疑惑の可能性が指摘されただけで、明確な証拠は確保できなかった。そのため、「1日も早く徹底した調査が急務だ」という声がスポーツ界から出ている。また、問題の重大さを考えると、法的な拘束力を持つ捜査機関に調査を依頼すべきという指摘もある。

李政洙「選考会で種目の分かち合いはなかった」

 バンクーバー冬季五輪ショートトラックで2冠王に輝いた檀国大学の李政洙(イ・ジョンス)=21=は13日、記者会見に臨み、「代表選考会で種目の分かち合いはなかった」と主張した。大韓体育会が「昨年の代表選考会で、一部の選手とコーチから“全員が代表になれるよう互いに助け合い、国際大会では皆がメダルを取れるようにしよう”という提案があった」という内容の監査結果を発表したのに対し、これを全面的に否定したのだ。

 一方で李政洙は当時、代表チームのコーチに内定していたチョン・ジェモク氏から、「種目ごとの分かち合い」を持ちかけられたが、これに応じなかったと主張した。李政洙は「コーチからのそのような要求を受け入れてしまえば、選手ではない。僕は誰の助けも受けなかった」と述べた。

 李政洙は「バンクーバーでも、チョン氏から代表選考会当時に行った談合を再び提案され、出場を放棄するよう強要された」「コーチが“選考会で郭潤起(クァク・ユンギ)の助けがなければ、お前は五輪に来ることもできなかった。1000メートルは譲れ”と求めてきた。悩んだ末にこれを拒絶したところ、チョン・コーチは、“それなら世界選手権は諦めろ”と言ってきた」と証言した。

 李政洙を個人的に指導するイ・ジュンホ元韓国代表コーチは、この日の会見で、「今回の問題で再調査を担当した共同調査委員会は、中立性がまったくなく、客観的な調査ができないメンバーで構成されている。そのため、14日から予定されている調査には一切応じるつもりはない」と述べた。

チョン・ジェモク氏「圧力をかけたことはない」

 チョン・コーチはこの日、本紙との電話インタビューに応じ、「コーチである自分がそのようなこと(代表選手選考会での談合や出場放棄の強要)をするわけがない」と述べ、自らが圧力を加えたという疑惑を強く否定した。チョン氏は「大韓体育会は監査の際、李政洙に対し直接話を聞きたいと要請したが、李政洙がこれを拒否したと聞いた」「指導者が選手と争うような姿は見せたくない」と述べた。さらに「共同調査委員会にはすべてを話すつもりだ。罰を受けるべき人間が罰を受けるだろう」と述べた。

城南=陳仲彦(チン・ジュンオン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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