会社帳簿に「議員」の文字、韓元首相への政治資金か

 韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相に違法政治資金9億ウォン(約7500万円)を提供したとされた建設会社、ハンシン建営が同資金を銀行から引き出した当時、会社の帳簿の支出内訳に「議員」と記載していたことが13日までに分かった。

 問題の記述は、ハンシン建営の家宅捜索で押収された帳簿に記載されていたもので、ソウル中央地検特捜1部は、同社従業員から「議員とは韓元首相を指すものだ」との証言を得た。

 韓元首相は2007年当時、ハンシン建営がある京畿道高陽市一山区選出の国会議員(一山甲選挙区)だった。

 従業員によると、08年にハンシン建営が不渡りを出した後、韓元首相から返還を受けた2億ウォン(約1660万円)も会社の法人口座に入金され、入金内訳にも「議員」と記載したという。

 検察はまた、収監中のハン・マンホ同社代表(49)や同社従業員から「9億ウォンのうち20万ドル余りは、韓元首相側から『ドルで欲しい』と要求があり、ドルへの換金に従業員20人余りを動員した」との証言を確保した。

 ハン代表は07年3月から数回にわたり、計9億ウォンを韓元首相サイドに提供した際、「自宅に持ってきてほしい」と要請され、直後に従業員に資金の準備を指示していた。

 一方、検察がハンシン建営の不渡りによる被害者から得た証言によれば、ハン代表は物件の分譲当時、「金融機関のプロジェクト融資問題は上がすべて解決することになった」と述べていたという。このため、検察は韓元首相による影響力行使があったかについても確認を進めている。

 検察はこのほか、韓元首相が08年にハンシン建営に2億ウォンを返還したのに関与した女性側近に今週中にも出頭を求め、取り調べる方針だ。

崔源奎(チェ・ウォンギュ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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