北朝鮮、韓国提供の光ケーブルで軍の通信網拡充か

玄仁沢・統一部長官「北朝鮮の情報収集に問題」「追加の支援計画はない」

 北朝鮮の前方部隊の通信網が光ファイバー回線に整備され、韓国の情報収集能力が低下したとの指摘が相次いでいる。これについて、統一部の玄仁沢(ヒョン・インテク)長官は13日、「北朝鮮に対する情報収集に問題があると認識している」と述べた。

 玄長官はこの日、国会外交通商統一委員会の全体会議に出席した際、ハンナラ党の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員から、「北朝鮮はここ数年の間に、前方部隊の通信網を、銅線のケーブルから光ファイバーケーブルに交換する作業を行ってきた。光ファイバーケーブルは物理的に盗聴が不可能とされている」という指摘を受け、上記のように答えた。

 だが、鄭議員が「昨年、韓国政府が北朝鮮に提供した全長45キロメートルの光ファイバーケーブルのうち、一部が北朝鮮軍の前方部隊の通信網に転用された可能性がある」と主張したのに対し、玄長官は、その可能性については否定した。しかし、北朝鮮の通信網が銅線から光ファイバーに変わり、北朝鮮に対する情報収集が以前よりも難しくなったという指摘に対しては、「同意する」と述べた。これは要するに、韓国が提供した光ファイバーケーブルが直接、または間接的に情報収集に影響を及ぼしていることを認めたとも受け取ることができる。玄長官が「北朝鮮が追加で光ファイバーケーブルの支援を要請してきたとしても、支援の計画はない」と明言したのも、このような事情があるからだ。

 韓国政府は昨年、2007年の南北合意に基づき、光ファイバーケーブル45キロメートル、端末装置2セット、計測器2セットなどを支援した。韓国人関係者が開城工業団地や金剛山地区を出入りする際には、南北の軍当局で担当者リストの連絡を行わなければならないが、これまでの通信回線には銅製のケーブルが使われていたため、通信障害がたびたび起きていた。そのため南北は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の07年後半、韓国が北朝鮮に光ファイバーケーブルを支援することで合意していた。

アン・ヨンヒョン記者

イム・ミンヒョク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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