北朝鮮、金剛山面会所などの「凍結」を強行

朝鮮族の管理人に「北朝鮮から出て行け」

玄仁沢・統一部長官「強力に対処」

 北朝鮮は13日、離散家族面会所など韓国政府や観光公社が所有している金剛山地区内の建築物5カ所の出入り口に、「凍結」と書かれたステッカーを張りつけ、予告していた不動産の凍結措置を執行した。また、韓国政府に代わって離散家族面会所を管理していた現代峨山所属の中国人(朝鮮族)労働者4人に対し、14日午前10時までに「北朝鮮を出て行け」と通告した。これに対し、統一部の千海成(チョン・ヘソン)報道官は、「遺憾だ。北朝鮮は凍結を直ちに撤回しなければならない」と発表した。

 統一部や現代峨山によると、北朝鮮の名勝地総合開発指導局(金剛山管理)のキム・グァンユン局長や軍人など北朝鮮側の関係者20人余りは、同日午前10時から12時にかけて、離散家族面会所から消防署(以上、韓国政府所有)、温泉浴場、文化会館、免税店(以上、現代峨山所有)の順で凍結を執行した。北朝鮮は、各建物の出入り口の鍵穴、扉と枠のすき間にビニールコーティングされたステッカーを張り、封印した。ステッカーは白いA4用紙に黒字で「凍結」と書いてあり、さらに赤い斜線が描かれているという。

 統一部の当局者は、「離散家族面会所の場合、凍結執行に先立ち、施設の破損を防ぐため、一部の措置を取っていた。配管施設の水を抜き、漏電を防ぐため、電気施設もオフ状態にした」と語った。また消防署には、消防車など17億ウォン(約1億4000万円)相当の消防施設があるが、ほとんどは現代峨山が所有する建物に移され、凍結に伴う被害はないことが分かった。玄仁沢(ヒョン・インテク)統一部長官はこの日、国会の外交通商統一委員会に出席し、「北朝鮮が不当な措置を拡大実施していくなら、南北関係を大きく損なう行為だと見て強力に対処する」と語った。

 現在北朝鮮は、金剛山観光の中断が続く場合、開城工業団地まで再検討するという脅迫を行っている。安全保障関連部局の当局者は、「当分の間、北朝鮮は少しずつ圧迫のレベルを上げていくだろう。一部の中国人観光客を金剛山に呼び込んだり、金剛山の通行制限などの追加措置を取る可能性もある」と語った。

アン・ヨンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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