【コラム】独島ではなく「東海」のアピールを(下)

 だが、独島に全く関心がない米国人に「韓国と日本は独島をめぐり争っている」との認識を植え付けるのでは、と懸念する声も少なくない。独島は歴史的にも法律的にも韓国領であり、何よりも重要なのは、韓国が現在、実効支配している韓国領土だということだ。日本が小学校の教科書5種すべてに独島を自国領土として表記させ、「外交青書」で「『竹島』は日本領」と言い張ったところで、「独島は韓国領土」という事実に変わりはない。今後100年、1000年たってもだ。つまり、日本は今、独島について「ノイズマーケティング」をしているということだ。そうして機が熟せば、いつか自分たちの影響力が及ぶ国際司法裁判所にこの問題を持ち込もうという魂胆だ。

 紛争になれば、既得権を持つ方が不利になる。既得権という視点で見れば、独島は韓国が、東海(日本海)表記は日本が持っている。18世紀末と19世紀初めに、日本は国力に物を言わせ「日本海」という呼称を一般的にした。1992年から韓国が「『日本海』という呼称を『東海』に変えるか、『東海』と『日本海』を併記すべき」と主張すると、日本はピリピリし始めた。まだ少ないが、一部の国やメディア、教科書などでは、「日本海」を「東海」に変更または併記し始めている。韓国政府の当局者は「日本は独島に対する韓国人の憤りを楽しんでいるが、『東海』表記問題ではヒステリーを起こす」と話す。だからこそ、韓国は日本の独島戦略を、東海戦略に適用しなければならない。タイムズ・スクエアやロサンゼルスの高速道路の立て看板はそのままにするにしても、内容は独島ではなく、「『日本海』は『東海』だ」に書き換えれば、日本は苦々しい思いをすることだろう。

政治部=鄭佑相(チョン・ウサン)外交チーム長

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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