上野原市立病院の移転、建設計画を巡り、江口英雄市長と地元の上野原医師会(渡部一雄会長)が対立し、市立幼稚園と小中学校の学校医が不在となっている問題で、江口市長が14日、渡部会長を訪ね、「学校医などへの協力要請に十分な配慮が不足していたことに心からおわびする」とした文書を届け陳謝した。ただ、同じ文書で「新病院建設と学校医委嘱の問題は別次元の問題」と強硬姿勢も示しており、渡部会長は江口市長の陳謝を受けるかどうか16日開催の同会定例会で相談し、学校医委嘱を受けるかどうかを決定する。
同医師会は、江口市長が同医師会を無視する形で新市立病院の設計業者などを決めたとして、新年度の学校医委嘱を辞退。7日に渡部会長が江口市長に謝罪を求める要求書を手渡し、15日正午を期限に文書での回答と、16日開催の同医師会定例会への江口市長の出席を求めていた。
しかし、市民の間には子供にしわ寄せが行くことへの批判が高まっており、まずは江口市長が歩み寄った形だ。【福沢光一】
毎日新聞 2010年4月15日 地方版