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【外国人参政権 欧米の実相】(1)教師が学校閉鎖を求めた (1/5ページ)

2010.4.10 07:55
2006年3月、教師が学校閉鎖を求めたベルリン・ノイケルン区のリュトリ基幹学校。ドイツの外国人参政権問題の核心があった(木村正人撮影)2006年3月、教師が学校閉鎖を求めたベルリン・ノイケルン区のリュトリ基幹学校。ドイツの外国人参政権問題の核心があった(木村正人撮影)

 ドイツのベルリン州ノイケルン区。イスラム系移民の統合を促し統合政策の柱に教育を据える。憲法に相当するドイツ基本法への忠誠などだ。それでも統合のために移民に地方参政権を与えるには至っていない。

 「教育をまともに受けていないイスラム系移民の割合が多すぎる。教育を経てからでなければ、参政権の付与は認められない」

 そう語るのは、区の移民担当官、アールノト・メンゲルコッホ氏。区内ではかつて“事件”があった。

 2006年3月、同区にあるリュトリ校(中等教育)の教師全員から、連名でベルリン州教育相に手紙が届いた。「生徒はノートや鉛筆も持たず爆竹を鳴らし、教室のドアをけって入ってくる。学校は彼らにとって戦場であり、教育が成立する余地はない」。手紙は学校閉鎖を求めていた。

 1909年創立のリュトリ校は、大学進学率が高いギムナジウムとは異なる教育水準が低い基幹学校。反ナチスの活動拠点でもあったため、43年には閉鎖され、敗戦とともに再開された。そうした歴史をもつリュトリ校も、教師が生徒の暴力に耐えきれなくなり学校閉鎖を要求するという事態は、前代未聞だった。

 メンゲルコッホ氏は「女子生徒が手をナイフで突き刺されたり、髪の毛に火をつけられたり、学校の荒れ方は想像を絶していた」と振り返る。

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2006年3月、教師が学校閉鎖を求めたベルリン・ノイケルン区のリュトリ基幹学校。ドイツの外国人参政権問題の核心があった(木村正人撮影)

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