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金沢にいた!「私は世界最速の神主」

 「わたしは世界一、足が速い神主なんです」。講演会で決まってそう自己紹介する。金沢星稜大教授で陸上部部長大森重宜さん(49)は1984年ロス五輪400メートル障害の日本代表。シドニー、アテネ五輪では為末大らを率い、ハードルのコーチを務めた。一方で石川県七尾市で約1300年続く大地主神社の宮司という別の顔も持つ。

 「神主になるのが嫌でしょうがなかった」高校時代、亡父重健さんに「やりたくないなら五輪に出てみろ」と言われ、早稲田大に進学。卒業時、世界ランク入りしていた短距離選手は日本で自分だけ。「為末よりずっと天才。今の指導理論があれば、メダルも取れたね」と笑って豪語する。

 大学時代、先輩に「家を継ぎますよ」と思わず言った言葉で自らの宿命に気付く。国学院大で神道を学び、日体大では祭りの研究で修士号取得。

 「神道や祭りとスポーツは深いところでつながっている」と感じる。ハンマー投げの室伏広治が「美しい所作で投げたい。正しいお辞儀の仕方や足の運び方を教えてほしい」と訪ねて来たこともある。

 巨大な山車が繰り出す伝統の「青柏祭」はじめ、年間57の祭りを取り仕切る。朝7時からお勤めをこなし、1時間かけ金沢市の大学に通う。スポーツ科学の研究者として石川県の小学生を調査、「日常生活の歩数が40年で半分以下になった」と警鐘を鳴らしたことも。

 「自分の理論でメダリストを生むことと、伝統を守り、徳を得られる祭りを続けていくこと」が目標という。

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