大阪地裁に入る厚生労働省の村木厚子元局長=14日午前、大阪市北区、小林裕幸撮影
厚生労働省から自称障害者団体を郵便割引制度の適用団体と認める偽の証明書が発行された事件で、虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われた同省元局長の村木厚子被告(54)の第17回公判が14日、大阪地裁で開かれ、被告人質問が始まった。村木元局長は弁護人の問いかけに、事件への関与を改めて否定した。検察側の質問は15日にある。
弁護側はまず、2004年に証明書の発行を村木元局長に依頼したとされる自称・障害者団体「凛(りん)の会」(現・白山会)元会長の倉沢邦夫被告(74)=同罪などで公判中=とのかかわりについて質問。元局長は「会った記憶がない」と述べたうえで、当時の手帳や業務日誌に面会した記録はなく、名刺も残っていなかったと説明した。
障害保健福祉部の企画課長として、元担当係長の上村(かみむら)勉被告(40)=同罪で起訴=に偽の証明書発行を指示したとする検察側の主張に対しては、「課長が課長補佐らを飛び越えて、直接担当係長に指示することはない」。倉沢元会長の依頼を受け、証明書発行の「口添え」をしたとされる石井一参院議員(当時衆院議員)に関しては、「(国会議員から特定業務の依頼を受ける案件は)04年2〜6月で70件ほどあった」としたうえで、石井議員の記録は業務日誌になかったと述べた。
また、逮捕後の取り調べで発言していないことを調書にされそうになったり、検事から「大した罪ではない」と言われたりしたと明かし、「非常に腹が立った。私にとっては公務員として30年やってきた信用を失うかどうかの問題だ、と泣いて検事に訴えた」と涙ながらに語った。(平賀拓哉)