遺体とみられる白い包みを運び出す長野県警の捜査員ら=14日午後10時26分、愛知県西尾市南奥田町 |
長野市若宮2の貸倉庫にあったワゴン車から男性(37)の遺体が見つかり、倉庫の借り主の関係者の男女3人が行方不明になっている事件で、長野中央署の捜査本部は14日、事情を聴いていた男女の知り合いの男1人が「3人を殺して愛知県内に埋めた」と供述したのを受け、同県西尾市南奥田町の資材置き場を捜索、同日夜までに3人の遺体を発見した。この男ら4人がかかわったとして15日午前1時すぎ、死体遺棄容疑で逮捕した。
遺体で見つかったのは、長野市真島町真島、自営業金文夫さん(62)。残りの2人は金さんの息子(30)と、息子の妻(26)とみて確認を急いでいる。金さんは「金沢」、「坪井」の姓を使うこともあったという。
逮捕したのは、金さんと同じ家に住んでいた伊藤和史(31)と松原智浩(39)、同市吉田1、池田薫(34)のいずれも会社員の3容疑者と、愛知県西尾市、自営業斎田秀樹容疑者(51)の計4容疑者。逮捕容疑は、共謀の上、同市南奥田町の資材置き場で土中に金さんと男女2人の死体を遺棄した疑い。4人は金さんが経営していた会社の従業員で、真島の住宅に住み込むなどして働いていたという。
捜査本部は、4人の殺人容疑での立件を視野に捜査を進める。
ワゴン車から10日に遺体で見つかった本籍沖縄県浦添市、宮城浩法さん(37)は金さんの息子らと知り合いといい、捜査本部は両事件の関連を調べている。
事件の発端は8日夕、貸倉庫を所有する市内の会社の関係者からの「変なにおいがする」との通報。同署が倉庫内にあったワゴン車を押収して調べ、車内からプラスチック製の箱に入った宮城さんの遺体を発見した。遺体は袖の短いシャツと丈の短いズボンに運動靴を履いた状態で、昨年の比較的暑い時期に殺害された可能性があるとみられている。
遺体で見つかった金さんら3人については、家出人捜索願が親族から3月下旬に長野南署に出されていた。