マニュアル接客は悪なのか?

 少し前の話(3年くらい前の話だと記憶していますが)になりますが、こんな話があったのをご記憶の方もいらっしゃるかと思います。

 買出しを頼まれた1人の男性が、あるファーストフードのハンバーガーショップに行きました。

■男性:「ハンバーガー20個ください。」

□店員:「かしこまりました、ハンバーガー20個ですね。店内でお召し上がりになりますか?」

■男性:「テイクアウトで。」(1人で来てるんだから、テイクアウトだってわかるでしょう・・・)

 ということで、実際にこの話が事実なのか否かはわかりませんが、「マニュアル接客の弊害」といったテーマでマスコミにも結構な頻度で取り上げられていました。

 では、本当に“マニュアル”が悪いのでしょうか?

 チェーン展開しているハンバーガーショップの多くがお客さまに何を約束しているのかを考えてみて下さい。

<日本全国どこの店舗で食べても「同じ味」であり、「同じ価格」であること>

 これが大きな安心感につながっています。

 また、ファーストフードと呼ばれる業態ですから、「スピード」(注文して商品が出てくるまで)は不可欠な要素でしょう。

 つまり、お客さまとの約束を果たすために大切なことは、「業務の卓越性」(オペレーショナルエクセレンス)を発揮することであり、このような業態の企業にとってマニュアルは必要不可欠な経営ツールだという主張のほうが正しいようにも思えます。

 あえて誤解を恐れずに極論を言えば、ハンバーガー20個を注文した1人のお客さまに対して「店内で・・・」と対応したところで、あるいは、たとえスタッフの笑顔が無かったとしても、それだけでお客さまを失ってしまうほどの悪影響は受けないのではないかと思います。

 では、なぜマニュアル接客は揶揄されることが多いのでしょうか?

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川原 慎也 [船井総合研究所 シニアコンサルタント戦略 コンサルティンググループ グループマネジャー]

1998年船井総合研究所入社。中小企業を中心に展開されていた船井総研のノウハウ(現場重視で売上・利益向上を具現化)を、大手企業にも展開できるコンサルテーションへと発展させた第一人者。
クライアント企業の本質的な課題に切り込んだ上で、社員を巻き込みながら解決策を具現化していくコンサルティングスタイルは、組織変革や社風改革の必要な現場から確実に高い評価を得ており、近年はM&A後の組織再編といった業務においてもその効果を証明している。
また、企業のさまざまな問題(マーケティング、組織変革、人事、教育研修等々)に応えるために、社内のタレントを積極的に活用し、必要であれば社外の専門化との連携も実施しながら推進されるプロジェクトコンサルティグにおいても、高い顧客満足を獲得している。

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