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検証チーム発足!民主党いよいよ特別会計176兆円に切り込む

2010/4/14 20:18
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 霞が関は戦々恐々だ。民主党が、特別会計の抜本的な見直しに乗り出す。特会の検証チームが発足したのだ。まもなく始まる事業仕分け第2弾の陰に隠れて目立たないが、これは画期的なことだ。文字通り、予算の全面組み替えが視野に入ってくる。

「国の予算というと、一般会計ばかりが問題になりますが、特別会計の方が規模としてはずっと大きい。一般会計の10年度予算は約92兆円ですが、特別会計は約381兆円と、4倍規模。特会の歳出純計は176兆円で、国債償還費を除いても、102兆円に上ります」(財務省関係者)
 特会は、各省庁が特定の事業を行うために設けられた目的限定の会計だ。言うまでもなく、原資は、われわれが納めた税金や保険料である。しかし、一般会計と違って国会のチェックも甘いため、所轄官庁は好き勝手に使い、余剰金を貯め込んできた。ここから天下り先の独立行政法人にも予算が回されている。特会のおかげで役人が甘い汁を吸い、デタラメがまかり通ってきたともいえる。
「JAL破綻で注目を集めた空港整備の特別会計がいい例です。特会でムダな空港を造り続け、自民党の族議員は空港建設で業者に利益を誘導。官僚たちは関連団体にゾロゾロ天下ってきました」(霞が関事情通)
 民主党は、衆参両院の財務・決算関係の委員会に所属する約100人で、17ある特別会計ごとに検証グループを結成。ムダを洗い直し、11年度予算編成の財源確保につなげる構えだ。
 まずは、GW明けに見直し第1案を出す予定だ。
 特会検証チームの一員で、メガバンク出身のため企業再生や財務諸表に精通している福嶋健一郎衆院議員は「総力を挙げて切り込む」と、見直しの方針をこう語る。
「特別会計は戦後復興期から高度経済成長期に設けられたものが多く、すでに役割を終えているものがある。特会を全廃することを前提に見直しを進めます。仮に特会として残すにしても、規模が適正なのかどうか、使い道が正しいか、ムダな人件費を計上していないかなど、企業のバランスシートを見るように、ひとつひとつの項目を細かくチェックしていきます。ストックとフローの面からも、厳しく審査する。かなりの財源が捻出できると思います」

●もう官僚にはデタラメはさせない
 一体どのくらいの財源が確保できるのか。「特別会計への道案内」などの著書がある元国会議員政策秘書の松浦武志氏は、こう指摘している。
「特別会計の資産から負債を差し引いた約100兆円のストックが埋蔵金と呼ばれるものですが、このうち外為特会の長期預託金など少なくとも17兆円はすぐに取り崩せる。フロー部分でも、毎年4兆〜6兆円程度は簡単に浮かせられるでしょう」
 ざっと20兆円の財源は確保できる計算だ。民主党には、「金融ボーイズ」と呼ばれる金融業界出身の議員が数多くいる。金融のプロの目で特別会計を見直せば、いくらでも財源は出てくるはずだ。既得権益を侵される官僚の抵抗は凄まじいだろうが、ここで政治主導を発揮できれば、日本の形は大きく変わる。

(日刊ゲンダイ2010年4月9日掲載)
2010/4/14 20:34 更新

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