政府高官は14日夜、沖縄の米軍普天間基地移設問題を巡る「5月末決着」の解釈について「政府としてこれでいこう、(受け入れ先の)地元も『聞く耳を持ちましょう』となれば決着だ」との認識を示した。米側や受け入れ自治体との協議を継続せざるを得ない状況を認め、5月末決着を事実上、断念した発言だ。
「決着」の解釈が違うと強弁して予防線を張る意味合いもあるとみられるが、5月末決着を対米公約としてきた鳩山由紀夫首相の責任を問う声が一段と強まる可能性が高い。首相はこれまで米側と受け入れ自治体との合意が前提と公言してきたが、政府高官はいずれも困難な情勢であることを認めたといえる。
首相は3月31日の党首討論で5月末決着について「連立政権としての考え方を米国に提示し、新しい移設先にも理解を求める。政府案としてその案を認めていただくことが5月末までに私が果たすべき役割だ」と説明。「当然ながら現地の了解を取り付けなければならない」とも述べた。4月12日のオバマ米大統領との話し合いでも、改めて5月末決着の協力を求めていた。米側は受け入れ自治体との合意が協議の前提としている。
政府は普天間基地の移設先として鹿児島県・徳之島にヘリ部隊の一部を移設し、キャンプ・シュワブ陸上部に新たに建設するヘリパッドに残りを移す案などを検討している。
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