J2・東京Vの株式取得を検討している情報通信大手「ネクシィーズ」(本社・東京都渋谷区)の近藤太香巳(たかみ)社長(42)が13日、本紙の単独インタビューに応じた。最終的な結論について、近藤社長は「言葉にするのは難しいがやろうと思っている」と述べた。東京Vとの交渉が明らかになって以降、ネクシィーズ社が経営権の取得に関して方針を表明するのは初めて。他企業との「連合体」で経営に乗り出したい意向を明らかにした。
東京Vの経営権取得をあらためて明言した近藤社長は、不測の損失やリスクを避けるため、事前に財務状況などを精査している段階と説明し「(東京Vは)5月末までには資金ショートするので、4月末までに(最終結論を)明らかにする」と話した。
精査の過程で「ヴェルディ側が言う足りない資金と、実際に足りない資金にかなり、かい離がある。倍額くらい。そこが大きな懸念材料になっている」と指摘。その上で「上場会社を中心に一緒に(経営に)参画して、連合でできたらいいなあ、と言うのが本音。結果的にわれわれがキャスティングボードを握ると思うが、絶対に(株式)51%以上欲しいというわけではない。第一条件ではない」とした。
経営参入後は事業規模を6億円程度に縮小し、抜本的な経営改革の下、負のスパイラルから脱却を図っていく考えだ。
スポーツを通じて若者を支援する「ホシノドリームズプロジェクト」で培ったノウハウ、営業力などを活用し、「サッカーは地域密着。街の商店、中小企業、小口スポンサーがイメージアップできるブランディング効果になるような営業も企画もできる」と、小口出資者から低額のスポンサー料を募っていく経営プランも披露した。
推定3億円といわれる練習場の賃貸料、観客数に見合わない味スタの使用については、都内で移転することも選択肢とし「まだ言葉にできないが、いくつか考えている。やはり価格が高額。あまりにももったいない」と話した。
観客動員増に関しては「小口のスポンサーにファンになってもらい、その企業がヴェルディをブランディングに使えるメリットも提供し、試合に来てもらうことが大事。本当の地域密着型のクラブをつくって、たくさんのファンを呼ぶのがベスト」とした。
ビジネスとして成立するのか−については「ヴェルディで利益を上げていこうという考え方は持っていない」とし「赤字にならないことが基本。得た利益で戦力補充をしていく。2、3年はクリンチ状態が続くだろうが、J2で赤字はダメというのが最終的な判断」と説明。「日本サッカーの歴史上、ヴェルディをなくしてはいけない」「40年の歴史、Jリーグを築いたヴェルディ。われわれがお金を入れる価値はあるのかと言えば、あると思う」と力説した。
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