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きょうのコラム「時鐘」 2010年4月15日
「敗れて目覚める。それ以外に日本が救われる道はない」。21歳で戦艦大和とともに沈んだ海軍大尉の言葉である。能登町に顕彰碑が建っている
敗れても目覚めないと、自民党に決別した「たちあがれ日本」だが、捨て石となる気配はない。「30代、40代にわれわれと同じくらい国を憂う人がどれだけいるのか」と言う石原知事は「血が沸き立っている」と、周囲を戸惑わせている 与謝野氏は「年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いる」と心の若さを説く。長寿社会は日本人の年齢観を変えた。「男はかつての8掛け、女は7掛け」と言われる。77歳の石原氏は一昔前なら還暦を過ぎた程度、平沼、与謝野両氏は50代後半に相当するというわけ 本紙・北風抄で岩見隆夫氏が「憂国の情が強ければ老人は後衛に」と書いていたが、当人たちに老人の自覚がないからしょうがない。平沼新党は長寿社会ならではの現象とみることもできよう が、自分だけが憂国の士と思うのは老化の証しだ。国を憂う者はいつの時代どの世代にもいる。次代を信じられなくなった時、人は老いるのではなかろうか。 |