2010-01-30 01:09:42

臨時理事会

テーマ:日常

お昼前、やっとこさ原稿を仕上げ、さて軽く寝ましょうかとしていたところで、編集H氏からメール。

本日夕方、臨時理事会が開かれ、ヴェルディの経営問題が話し合われるとのこと。

ご親切に知らせてくれ、助かった。


理事会は16時に始まり、終了したのが22時。

およそ6時間のロングランだ。

その間、新聞2紙、雑誌2冊、文庫本1冊を読めた。


記者会見で、鬼武チェアマンは言った。

ヴェルディの場合、一定以上の支出は報告義務があったが、それを怠ったこと。

当初の事業計画(支出9億5000万)より、約15%オーバーになるのが判明したこと。

予算管理団体として、財務面をチェックする人材を複数派遣すること。

新聞報道にあった、スポンサー料収入5億4000万円の確保が危ぶまれていることについては、全面的に否定した。

以上が主な会見内容だ。

その後、崔会長と渡貫社長の会見も行われたが、特記すべきことはない。

いつもに比べ、歯切れの悪い受け答えに終始した。


報告された内容はどれも軽くは扱えないが、今日明日にクラブがどうかなってしまうというものではなかった。

だが、なーんだとほっとするほど、こちらもアホウではない。

僕はとてつもない違和感を覚えた。

わざわざ理事を招集して、6時間に及ぶ話し合いである。

出てきた内容と、事の大きさがどうにも釣り合わない。


警鐘として、受け取っておいた方がいい。

いま以上にアンテナの感度を上げ、さらに多くの人の協力をヴェルディは必要としている。




2010-01-21 21:20:29

ランド、そしてランド

テーマ:日常

18日の東京ヴェルディ新体制発表会見以来、連日のランド通いだ。

選手名鑑の情報収集やオフィシャルイヤーブック、サポーター会報誌の取材をコツコツ進めている。


ここにきて、ようやく新加入選手全員の顔と名前が一致した。

どんな選手かなと、探り探り話を聞くのは大変興味深い。

中でも、意気込みの強さが印象的だったのは清水康也だ。

彼はサガン鳥栖を戦力外となり、ユースまでを過ごしたクラブに帰ってきた。

当面、選手と普及スタッフを兼務する。


「今年、結果を出せなかったら先はない」と、のっぴきならない覚悟を語った。

故障により、ほぼ2シーズンを棒に振った。

現在も別メニュー調整中だ。


ユースで同期だった富澤清太郎が横で話を聞きながら、ちゃちゃを入れてくる。

「別にさ、俺はおまえと一緒にやりたいとか思ってなかったかんね」。

その顔は、これ以上ないくらい笑っているのであった。





2010-01-13 22:58:35

新年ランド

テーマ:日常

年明け初のランド。

スーパー寒かった。

見上げればきれいな青空、よいお天気だ。

しかし、吹きすさぶ風がいけない。

まっすぐ立っていられないほどだった。


いやいや、なんのこれしき。

一昨日は甲府でもっと寒い思いをした。

サッカーマガジンの林健太郎インタビュー。

引退に至る経緯や印象に残っていることをいろいろ訊いた。

なお、取材の場所を提供してくださったフットサルクラブ「グロウィン」では、かつてヴェルディに在籍した高部聖がコーチとして勤務していた。

向こうは僕のことなんか憶えちゃいないのだが、待ち時間にロリ監督時代のことを少し話した。


例年に比べ、始動前トレーニングの参加人数が多い。

若手中心のはずが、すでに20名を超えている。

あふれる意欲の表れなのだろう。





2010-01-10 23:08:45

川崎新体制発表

テーマ:日常

川崎フロンターレの新体制発表記者会見に行った。

場所は洗足学園音楽大学の溝の口キャンパス。

毎回、趣向を凝らしたイベントで楽しませてくれ、いつも得した気分になる。


和太鼓とブリティッシュバンドの演奏を聴き、スペシャルゲストの平原綾香さんの歌声に酔う。

身体が音に包まれる感覚は、生ならではだ。

なかでもアフリカン・シンフォニーが良かった。


武田信平社長をはじめ、みんなの合言葉は「今年こそタイトルを」。

そこで、現場を知り尽くす高畠勉監督にチームを託した。

ACL出場権がノルマなら最も確実性の高いチョイスだろうが、要求されるものが未踏の頂点となるとどうだろう。

私見では、やや足りないと感じる。

今年のスローガン「Plus ALFA」で覆してくれるだろうか。


締めはいつもの通り、サポーターがチャントを歌い、マフラーをぶんぶん振り回す。

インドアのこれは、かなり壮観な眺めだ。

大量のほこりが舞い、くしゃみが出る。

マフラーもまた、タンスのなかで開幕を待ちわびていた。

ああ、こういうのが川崎だなと思う。





2010-01-08 23:44:00

男と女 その十一

テーマ:男と女

夕刻、カーテンの隙間からのぞく、うっすらオレンジの空。

女はベッドに身を横たえていた。

新年早々、ウイルスの攻撃を受け、まさかの入院である。

幸い、症状は重くない。


男はパイプ椅子に腰かけ漫画を読んでいる。

いつか読んでみたいリストの上位にあった『ソラニン』(浅野いにお/小学館)。

昨日、見舞いにちょうどよかろうと買ってきた。

今春、映画が公開されるらしい。


「宮崎あおいの配役、いいんやないかな」

「もうちょいキツめの顔でもいいかも」

「伊藤歩もよさそうやん」

「そーね」


やがて男が読み終わり、よか本やったねえと感想を言い合っているうちに、日が暮れた。

女は、今日差し入れられたサッカーダイジェストをめくり、ぶつぶつ言っている。


「おまえらが河野を・・・けしからん・・・叩っ切ってくれる」

「ちょっとほら、点滴の管が、危ない」

「で、ヴェルディはどうなってるの?」

「さあね。年が明けてから、まだランドに行ってない。そういや、さっきヤンキー先生がメールで教えてくれた。新聞に、新しい強化担当に誰がどうしたとか」

「知らなかったの?」

「うん」

「なんで」

「知らんもんは知らん。意外だった」


面会時間にはまだ猶予があったが、男は帰り支度を始める。

どうせ、明日か明後日には退院できる見込みだ。


「じゃ、そろそろ」

「うん」

「・・・」

「・・・」

「キエーケッケッケッ、さみしかろうが」

「変な声出さないで」

「しょうがない。あと少し、いてやってもいい」

「帰っていいよ」

「ソラニンの歌詞に曲をつけて歌ってやろうか」

「それだけはやめて。聴きたくない」

「どうしても?」

「はい」

「歌ったら」

「絶交する」


女は断固たる口調ではねのけた。

この調子なら回復は近いだろう。


男は自転車に乗って、ぶらぶら家路につく。

もし10年前に『ソラニン』を読んだとしたらどんな気持ちになったかなァ。

だが、その想像にはどうしたって限界があるのだった。