福岡市中央区の須崎ふ頭で人の胴体部分が見つかった事件で、福岡県警は14日、司法解剖を実施した。県警によると、女性の胴体と推定されたが、死因は特定できなかった。死亡推定時期は3月上旬。刺し傷や暴行の跡など、目立った外傷はなかった。県警は胴体が同市博多区堅粕(かたかす)の会社員、諸賀(もろが)礼子さん(32)の遺体の一部の可能性があるとみて、15日にもDNA型鑑定を実施して身元の特定を急ぐ。
胴体は14日午前8時40分ごろ、須崎ふ頭の岸壁付近の海に漂っているのを男性作業員が見つけた。
同市西区の能古島で3月15日、切断された下腹部が、同市中央区の福岡競艇場で4月9日に両腕が見つかっており、いずれも諸賀さんの遺体の一部と確認されている。
県警によると、胴体部分は腰から首の下付近までで、着衣はなかった。腐敗が激しく、1カ月ほど海中を漂っていたとみられる。
胴体が見つかった現場は、9日に両腕が見つかった福岡競艇場から北西に約300メートル。県警は14日午後、巡視船2隻を出して須崎ふ頭周辺を捜索した。
諸賀さんは3月5日、勤務先を退社した後、連絡がとれなくなった。自宅アパートには財布やバッグが残され、窓ガラスが内側から割れていた。県警は諸賀さんが帰宅した後、何者かが連れ出して殺害し、遺体を切断して遺棄したとみている。
【島田信幸、関谷俊介、近松仁太郎】
2010年4月15日