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日韓で同じ個体の鯨肉販売 DNA鑑定で判明、密輸か(1/2ページ)

2010年4月14日20時16分

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写真:韓国のレストランで出されている鯨肉=非政府組織「海洋保護協会(OPS)」提供韓国のレストランで出されている鯨肉=非政府組織「海洋保護協会(OPS)」提供

写真:研究チームが韓国で購入した鯨肉のサンプル=スコット・ベーカー准教授提供研究チームが韓国で購入した鯨肉のサンプル=スコット・ベーカー准教授提供

 日本と韓国で、同じナガスクジラからとられた肉が販売されていることが、日米韓のチームによるDNA鑑定で分かった。鯨肉の国際取引は原則禁止されている。チームは、日本が調査捕鯨で捕獲した鯨の肉が韓国へ密輸された疑いがあると主張している。さらに、日本国内の調査では、出所不明の鯨肉が流通している疑いもあったという。14日付の英専門誌に発表した。

 このチームは、米オレゴン州立大のスコット・ベーカー准教授やソウル大の研究者、非政府組織の「国際動物福祉基金」(IFAW)日本支部メンバーらで構成。日本でのイルカ漁を告発し、米アカデミー賞を受賞した「ザ・コーヴ」の監督も参加している。

 ナガスクジラの成体は体長約20メートル、体重40トン以上。日本は調査目的で捕獲しており、近年は日本とアイスランドが捕っている。調査捕鯨の鯨肉は国内で販売できるが、輸出入はワシントン条約で原則禁止されている。

 チームは2007年9月、日本国内の魚介類鯨肉販売店でナガスクジラの肉を購入した。09年夏に韓国・ソウル中心部にあるすしレストランで鯨肉として出されていたものを入手。細胞内のミトコンドリアのDNAを分析したところ、同じ種類のナガスクジラと確認された。さらに細胞核のDNA配列から個体識別すると、「99%以上の高い確率で、07年9月に日本で購入した個体と一致した」という。

 チームは日本や韓国で、15年にわたって同様の調査を続けてきた。日本では08年7月〜09年4月に、宮城県や東京都、石川県、大阪府、長崎県などで約60サンプルの鯨肉製品を入手し、DNA分析を実施。その結果、06年以降はナガスクジラが調査捕鯨などで計15頭しか捕獲されていないはずなのに、20頭以上の個体由来の肉だったと結論づけた。

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