2010年 3月 28日(日)

フィギュアスケート世界選手権〜何かが終わった〜

世選、終わりました。
女子シングルは、深夜にラジオカナダのネット中継をずっと見ていました。

何かが終わってしまった気がしました。
フィギュアスケートという、芸術とスポーツの合間にあった不思議に美しい競技が終わりました。
もちろん、今でもフィギュアは大好きですし、これからもショーなどを楽しんでいくと思います。
しかし、私の中で、すでにフィギュアは「競技として見る価値のないもの」になりました。

最初から今回の世選は異様な雰囲気でした。
疑惑の判定が多すぎたオリンピックの後、すでに誰が勝つかわかっているような状態で始まった世選。
しかし、フィギュアファンは一縷の望みを抱いていました。
明らかにおかしかったバンクーバー。フィギュア界の皇帝プルシェンコの苦言と彼の行動がどう影響してくるか、それを見ていたファンも多かったかと思います。
しかし、蓋を開けてみれば、またも…いやバンクーバー以上の出来レース。
その中で、果敢に闘い抜き、力で金メダルをもぎとった浅田選手の姿には、本当に何と言っていいのかわからないくらいの感動と共に、彼女から無垢な笑顔を奪ってしまったISUに、やり場のない怒りを覚えました。

異様な状態は、私の感覚では、男子シングルからすでに始まっていました。
�盒響�手のSP1位は順当と思いましたが、可もなく不可もないチャン選手が、なぜ4−3を降りたジュベール選手の上に来るのか。
チャン選手がこのポジションに来るなら、小塚選手の方がジュベール選手よりスケーティングスキルは上です。
PCS重視なら、ジュベール、小塚は入れ替わるはず。しかし、そうではなかった。
この時点で、すでにISUのダブルスタンダードははっきりとしました。
チャン選手をなんとしてもメダル圏内に残すために、4を持たない彼を何とか言い訳をつけて、SP2位に押し込んでおく必要があった。
そこでPCSを操作し、PCSが高いからチャンは2位、でも、�盒兇�4こけたら突き落とすために、3位に4ジャンパーのジュベールを残した。
その図式が見えてきました。
フリーで、�盒兇浪鹽症埖�ながら4フリップを降り、TESでもPCSでもチャンがかなわない演技をしてしまった。
�盒兇聾縮鮹忙劼涼罎如△發辰箸�TESとPCSのバランスのよい選手の1人です。
彼にほぼパーフェクトの演技をされてしまったら、PCSのみのチャンより下げるわけにはいかない。
ISUは男子は�盒兇鰺ゾ，気擦襪海箸砲掘△修里弔韻呂垢戮峠�子に回ることとなりました。

女子の異常採点はSPから始まりました。
まずは完全に回りきっている浅田の3Aを無理に回転不足にして（検証画像はすでに複数のサイトに上がっています）、70点台を切らせる。
しかし、これでは日本人が黙っていなさそうなので、五輪で4大会ぶりにメダルを逃したアメリカ女子で、日本国籍を持つ長州を上げる。
3−3を飛んだとはいえ、セカンド3は回転不足になった長州が70点を超えることは明らかに異常です。
3−2で70点台が出るなら、女子のスタンダードは70点台にとっくになっているはずです。
浅田も長州も勝たせるつもりは、この時点ではなかったと思います。
一応メダル圏内も見えますよという得点をつけておいて、キムの登場を待ちます。
キムのSPは今期一度も失敗していません。ここで80点台をつけて、オリンピックの再現です。
しかし、ここでとんでもない事態が起きてしまいます。
そのキムが、練習不足から、ジュニアにも劣る演技を披露してしまいます。
これでは、浅田を落とし、長州を上げた意味がない。
ジャッジはここで、何かが切れてしまったように、キムにぎりぎり優勝できるというだけの計算で60点台をつけてしまいます。
ここから何もかもが本当に狂気の中に入っていきます。
すでに何をやったから何点という計算はジャッジから消えていました。
ただ、チンクワンタとイ・ジヒの機嫌を損ねないために、キムに優勝させる。
それだけがジャッジの使命となりはてました。
また、男女ジュニアのシングルと男子シングルの優勝をすでに日本に持って行かれている以上、絶対に浅田を勝たせるわけにはいかない。
それらすべてが渦巻いて、欧州の実力者であるラウラ・レピストも異常な得点でメダル圏内に置かれ、完全な浅田包囲網が出来上がりました。

そして、女子シングルフリー。
点数はSPでのミスを心配してか、抑え気味になりました。
第三グループ。
ジャッジの杞憂は現実となります。
何とかオリンピック程度のフリーを滑ってくれれば勝てる得点を無理矢理SPでつけておいたのに、キムがまたもやってしまいます。
すっかりやる気をなくしたとしか思えない彼女がジャンプミスをしたところで二度も演技を放棄しようとしたのです。
（彼女のモチベーションが落ちていたというのは本当だと思います。もともと好きでフィギュアを続けていたわけではないようなので。
また体調がよくないというのも本当でしょう。もともと体力はないスケーターの上に、体重を絞り、練習を続けていた浅田と違い、ほとんど練習はしていなかった模様）
これでは困る。何としても勝たせなくては。
テクニカルスペシャリスト、コーラーも含めたジャッジ全員が完全に狼狽しているさまが見えるようです。
結果、その後に滑る全員がシーズンベストを出してもほぼ勝てない190点台という、あり得ない得点をキムに与えてしまいました。
この時間、私はツイッターとライブを並べて見ていましたが、この得点が出た瞬間、ライブではものすごいブーイングの嵐、ツイッターでは「転んでも190点って本当だったんだ」「転び方がいいと加点がつくんだよw」といった書き込みが。
それでも、フィギュアファンは浅田の優勝を信じていました。
この時点では、オリンピックの最終滑走で素晴らしい演技を見せた長州の存在の方が驚異であり、滑走順から考えても、長州の方に点が出そうだと考えていました。
第四グループ。
コストナーの後、浅田真央登場。
普段より緊張気味に見えましたが、丁寧に丁寧に滑っているのがわかりました。
3AはDGとるつもりだろうなと思いましたが、他のジャンプ、スピン、スパイラル、ステップ、すべてで彼女はケチのつけようのない演技を披露しました。
タラソワが長年暖め続けて来た「鐘」の完成形。
誰もが、最低でも130点台後半、いや、正常にジャッジが機能していれば、150点台も夢ではないパーフェクトな演技。
浅田も今期最高の笑顔と力強いガッツポーズ。
しかし、ジャッジはこの時点で最高の狂気を見せます。ジャッジというものが何なのか、何のためにそこにいるのか。彼らは考えていなかったのでしょう。
彼らは自分の使命を「選手を公平にジャッジする」ではなく、「会長、副会長の意に染む特定の選手を勝たせる」ことと認識していたようです。
結果、今シーズンベストの演技をしたにもかかわらず、浅田につけられた得点はシーズンベストに届かない、そしてフリー1位にもならない129点。
キス＆クライでジャンナコーチと並んで座っていた浅田の傷ついた、落胆した表情に胸が痛みました。
会場からは当然のことながら、凄まじいブーイング。
ISUはフィギュア史上最大の汚点といっても過言ではない、世紀の不正ジャッジを露呈しました。
浅田の上の得点をつけるはずだった長州がプレッシャーからかミスを連発、ジャッジは整合性を放棄し、まるでミスした長州を憎むかのような凄まじい105点台をつけます。
ミスの点からすれば、キムとほぼ同等。スピンやスパイラルのレベルは長州の方が上のはずなのに。
結果は浅田1位。
しかし、ジャッジはぎりぎりで面目を保ちました。
フリー1位は何とかキムに与え、チンクワンタとイ・ジヒの機嫌をとることはできたからです。

メダルセレモニー。
異様な雰囲気は続いたままでした。
プレゼンターは全員にこりともしない。祝福のキスもしない。女子シングルのメダルセレモニーにはあり得ない光景。
フォトセッションではキムが真ん中に入ろうとして、カメラマンに制される一場面まで映し出されていました。
それでも、ジャンナコーチから日の丸を渡され、フォトセッションに応じるうちに、ようやく見えた浅田の笑顔。
それは「私は恥じることなく、金メダルを取った」と確信した笑顔に見えました。

何としても勝たせまいとするジャッジを力でねじ伏せた浅田真央。
正しいことをやれば、絶対に結果はついてくる。
インタビューで「パーフェクトな演技をしたら、金メダルがついてきました」と語ったのは、まさに本音でしょう。
史上最悪の状況の中で果敢に闘い抜いた最強のアスリート浅田真央。
エキシビションでは本当の弾けるような笑顔を見せて欲しい。
あなたを見ていたフィギュアファンは誰が本当のチャンピオンか、ちゃんとわかっているのですから。

長々と書き連ねました。
お目汚し失礼。
最後に。
真央ちゃん、ありがとう。
伊藤みどり世代のフィギュアファンは、あなたに会えて、本当に幸せです。

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