3月末の着工時に予定されていたJR大阪駅北側、北ヤード再開発区域の愛称公募が募集直前に大阪市から待ったがかかり、先送りされていたことがわかった。昨年末に大規模サッカースタジアムの構想が浮上したためという。
関係者によると愛称公募は、3月31日に着工した先行開発区域(1期工区、約7ヘクタール)を担う12社の企業連合と大阪市や経済団体などでつくる「大阪駅北地区まちづくり推進協議会」の事務局が、昨年夏から準備してきた。しかし昨年末、2期開発区域(17ヘクタール)でサッカーのワールドカップ(W杯)決勝戦にも使える大規模スタジアムの建設構想が浮上。今年1月に、大阪市が公募をW杯開催地が決まる12月以降に先送りする意向を示したため、断念した。
1期の工事は2013年春に終了予定。市の担当者は「サッカー場のインパクトは大きく、いつ募集するのがいいかは難しい」と話す。一方、企業連合関係者は「着工の節目の公募は、またとないPRの機会だった」と残念がる。
北ヤード開発は一般的な認知度が低く、広報宣伝が大きな課題になっている。関西経済連合会の下妻博会長は08年4月の推進協の記者会見で「(北ヤードは)非常にローカルな呼び方で一般受けしない」と公募を提案。同席した大阪市の平松邦夫市長も「早急に動きましょう」と話していた。(永島学)