【シリコンバレー=岡田信行】高機能携帯電話の市場で、米マイクロソフト(MS)が“二刀流”で巻き返しを狙う。12日発表したシャープと共同開発した端末「KIN(キン)」は若い世代を狙い、主な使い道をSNS(交流サイト)に絞り込んだ“特定用途”版。米アップルや米グーグルにおされる主戦場では新型基本ソフト(OS)を搭載した“多用途”版の端末が年内に登場する。
キンは手のひらサイズのコンパクトな「キン・ワン」と、横長の「キン・ツー」の2機種。いずれも、スライド式キーボードとタッチパネル画面を搭載し、800万~500万画素のフラッシュ付きカメラを内蔵した。
指で画面に触れるだけで撮影した写真を特定の相手に送信できるなど、感覚的な操作に優れる。SNSを介した人間関係を重視する若い世代などに売り込む。世界で4億人の利用者を抱えるフェースブックや、日本でも普及し始めたツイッターなどのSNSに対応する。
一方、高機能携帯市場では、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」や、グーグルが自社ブランドで発売した「ネクサスワン」のように、パソコン並みに様々な機能を1台でこなす多用途型が伸長。MSの従来の携帯OS「ウィンドウズモバイル」は苦戦を強いられている。
調査会社の米ガートナーによると、高機能携帯をOS別で見た場合の世界シェアは、2009年にアップルとグーグル(アンドロイド)が前年比でシェアを大きく伸ばしたのに対し、フィンランドのノキアなどが採用する「シンビアン」やMSはシェアを落とした。
MSは2月に「ウィンドウズフォン7」を発表して巻き返しを宣言。韓国サムスン電子や英ソニー・エリクソン、東芝などが搭載端末を年内にも発売する予定で、今回のキンと併せた両面作戦で失地回復を急ぐ。
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