東京スバルに入社して14年、課長歴2年となった赤塚店の森分昭男販売課長は、全国スバルセールスコンテスト優勝の経験を持つ。コンテストがトップセールスの登竜門となるように後輩の育成に力を入れ、自身が指導した後輩の営業スタッフも今年のコンテストの関東大会へと進んだ。
(遠藤 幸宏)
―新人営業スタッフの教育方法は
「新入社員の研修期間は1年間。このうち最初に1カ月間の集合教育が行われ、その後は随時、店舗に配属され、毎月課題を提出することになっている。また当社の新人教育ではSC制度というシステムがあり、各店舗では新人1人に対して先輩の営業職1人がつき、OJT教育を行う」
―OJT教育で重視しているポイントは
「営業職としての基本をしっかりと身に着けさせることが目的であり、内容や教え方はそれぞれがアレンジしている。細かな仕事の仕方を教え、営業職としての基本をガチッと固めることで、それまでの自分自身の殻を破らせることが大事だ。また教える側も接客業としての基本を思い出すことで、成長していくことができる」
―新人営業スタッフを戦力に育てるコツは
「新人には車が売れるようになるまで、ショールームで先輩の営業スタッフが接客する際のサポートを行わせて、仕事を覚えさせる。とくに商談のクロージングのテクニックなどは、見て覚えるしかない。だが自分で売ったお客さまにならないと、お客さま側が自分の担当者だとは認めてくれない。そこで自分が担当するお客さまとの商談を進める近道は、お客さまの車の査定をすることだと思っている」
―査定が近道とは
「お客さまに対しては車検時期の7、3、1カ月前にアプローチすることになっている。とくに車検3カ月前の査定は、お客さま側が代替も視野に入れて車検を考えはじめるので、大きなチャンスとなる。もちろん査定だけでなく半年に一度の点検入庫もお客さまと親密になる機会だ。新人営業スタッフが経験を多く積める体制は整っている」
―各営業スタッフに対する指導のやり方は
「朝礼後に1人当たり数分だがヒアリングを行うことで、現在の状況や今後の活動予定などの把握とともに、アドバイスすることを心掛けている」
―店舗の戦力の維持、向上はどのようにしているのか
「営業活動は短距離レースではなくマラソンであり、レギュラー選手一人ひとりのペース配分にも気を配って、チーム全体の力を落とさないようにする必要がある。誰でも不調なときはあるので、車検カバー率やJAFの入会など、車販以外の実績も見て、できるだけ良い部分は評価するようにして、課員がやる気を失うことがないように気をつけている」