【コラム】今こそ「不都合な真実」と向き合おう(下)
現在、「天安」事件を調査している軍と民間の合同調査団は、「沈没原因の糾明に力を入れる」という考えだ。軍は合同参謀本部所属の「戦備態勢検閲団」を通じ、合同参謀本部の対応姿勢を点検する方針だという。しかし、合同参謀本部の対応体制は、安保システムの一部に過ぎない。今重要なのは、安保システム全般を点検することだ。
西海(黄海)をはじめとする韓国近海の安全は「『天安』前と『天安』後」で完全に変わった。国防長官を務めたある人物は「韓国軍が(魚雷・機雷を搭載して運ぶ)北朝鮮の潜水艦や潜水艇を探知できる割合は50%に達しない」と証言している。たとえ、「天安」沈没が北朝鮮とは無関係だったことが明らかになったとしても、今回の件を見守っていた北朝鮮は、どこが弱点なのかを見抜いているはずだ。これに対する対策なしに、どうやって6万8000人もの海軍兵士らに海に出ろと言えるだろうか。
政府は「『天安』沈没前後に、北朝鮮側の特異な動向はなかった」としている。北朝鮮が「天安」をひそかに攻撃しようとしていたら、痕跡を残すはずがない。では、韓国は北朝鮮の動きに全然気付くことができないまま、常に「やられる」しかないというのだろうか。北朝鮮関連情報の収集・分析過程に問題はなかったのか、国の非常事態に合わせ設計された危機対応マニュアルはきちんと機能していたのか、見極めなければならない。分析や診断を基に、総合的な安保システム改善策を打ち出すべきだ。こうしたことは、米国のように専門家により構成された独立委員会に任せるのが正しい。
その過程で、隠しておきたい「不都合な真実」に遭遇する可能性もある。だが、この状況を突破しなければ、韓国の安保システムをワンランク上のものにはできない。そうして初めて、「天安」の犠牲が無駄にならなくなるのだ。
朴斗植(パク・ドゥシク)論説委員
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