哨戒艦沈没:切断面ボロボロ、衝撃の原因とは(上)

姿を現した船尾を分析

 哨戒艦「天安」の船体の引き揚げ作業が行われている12日、海上に姿を現した船尾部分は、切断面がすべて海面に現れることはなかったが、先月26日の事故当日、非常に大きな衝撃があったという痕跡を確認することはできた。また、ハープーン艦隊艦ミサイルや魚雷発射管などが流失しており、捜索や回収には多大の困難が伴うものとみられる。

魚雷・機雷・バブルジェットなど、直接の原因を断定するのは困難

 この日公開された天安の船尾で、最も大きな特徴の一つとされているのは、煙を排出する大型の煙突が流失しているという点だ。軍関係者は、「煙突などが位置していた上部甲板が10メートルほど流失している。事故当時の大きな衝撃の際に、外れてしまった可能性が高い」と述べた。流失した煙突など上部看板は、船尾が沈没した位置から10メートル以内の海底に残っているという。

 これは、煙突周辺で大きな爆発が発生したという状況証拠とも言えるが、煙突は船首と船尾をつなぐ部分、つまり船体の中間近くに位置している。天安内部で爆発が起こった場合、その爆発地点として最も可能性が高いのが弾薬庫だ。そのため、李明博(イ・ミョンバク)大統領も、先月30日に金盛賛(キム・ソンチャン)海軍参謀総長から事故原因についての説明を受けた際、最初に「弾薬庫が爆発したのではないのか」と質問した。ちなみに天安の弾薬庫は、船体の前部と後部にそれぞれ1カ所ずつ位置している。

 もし船尾側の弾薬庫が爆発したのであれば、その上部は完全に失われているはずだが、この日公開された映像では、弾薬庫のすぐ上にある76ミリ艦砲部分が何度か海面に姿を現した。

 弾薬庫以外に内部での爆発が疑われるのは、艦内に搭載された魚雷や爆雷の爆発だ。しかし魚雷の発射管が装着されていた部分は、まったく破損していないことも映像で確認された。また12発の爆雷は、この日姿を現した76ミリ艦砲の真下に位置していた。

沈没事故から17日が経過した今月12日、哨戒艦「天安」の船尾がペンニョン島沿岸方向に4.6キロ移動した。天安の船体に固定された2本のチェーンを使い、大型クレーンが船尾を海上に引き揚げ、バージ船(左端)がクレーンをえい航している。赤い点線部分が海面に姿を現した船尾部分。/写真=イ・ミョンウォン記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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