韓国経済、金融危機前の水準回復は困難か(下)

 年間就業者数も金融危機以前の水準には達しない見通しだ。年間就業者数は、金融危機以前の2007年には34万人に達していた。設備投資は前年比13.4%の伸びを予想したが、昨年が同9.1%減だったことを考えれば、金融危機以前の水準(年8%)に満たない計算となる。雇用創出効果が大きい建設投資は、不動産景気の不振により、昨年の4.4%増の半分の2.2%増にとどまる見通しだ。

物価は安定

 韓銀は今年の消費者物価上昇率について、目標値(3%)を下回る2.6%にとどまると予測した。韓銀は「私立大の学費値上げが1%前後にとどまったことをはじめ、個人サービス料金の安定が上半期の物価抑制に寄与した」と指摘した。04-08年の私立大の学費値上げ率は平均6.9%に達していた。

出口戦略とは無関係

 韓銀は今年の韓国経済の成長を民間が主導すると期待している。消費、投資など内需による成長率への貢献が輸出よりも大きいと予測した。民間の成長率への寄与度は昨年、マイナス1.3%と全体の足を引っ張ったが、今年は成長率の大半を占める4.9%が見込まれている。

 しかし、韓銀の期待通りに民間による成長寄与があったとしても、利上げなど出口戦略には影響を与えない見通しだ。韓銀のイ・サンウ調査局長は「出口戦略はさまざまな要因を考慮しなければならず、現時点で民間が自らの力でやっていく力が完全に回復したとはいえない」と指摘した。その上で、「4.6%であれ5.2%であれ、急速な景気回復を示していることに変わりはない」との認識を示した。

朴淳旭(パク・スンウク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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