危機的状況のGM大宇(下)
■GM大宇との長期共存よりも短期の収益を狙うGM
GM大宇のある関係者は、「シボレーブランドの導入が、本当にGMとGM大宇の共存にプラスに作用するのであれば、受け入れを拒否する理由はない。しかし問題は、このような方法がGM大宇の長期的な競争力を引き下げるという点と、そもそもの狙いがGMの収益を高めることにしかないということだ」と述べた。
最近、大宇自販と決別して販売網を各地域に分割したのも、本来GMが全世界的に複数ディーラー制を採択しているため受け入れることはできる。しかし、これは結果的に各地域のディーラーに、販売に関連する費用の負担を押しつける結果となっている。つまり、GM大宇自体の収益性を高める一方で、資金の負担は抑えるという意図だ。現在、地域総販制度に関与している業界関係者は、「GM大宇は先月、総販各社に数千台単位で車を押しつけ、一方的に代金を回収した。こうした横暴なやり方は徐々に強まっている」と述べた。
シボレーブランドの導入に対するGMの説明も同じようなものだ。韓国のユーザーも大宇のマークが入った新車から、そのマークをわざわざ取り外し、輸出用のシボレーマークに付け替えるケースが多い。そのため、最初からすべてシボレーにすれば、内需が拡大するという主張だ。
そうなると、大宇の「マティズ」は「シボレー・スパーク(輸出名)」に、「ラセッティ・プレミア」は「シボレー・クルーズ」に名称が変わる。GM本社の大衆車ブランドであるシボレーの名前を韓国にも広め、またブランド使用のロイヤルティーもGMが手にすることができるため、さまざまな面でGM本社にとってはプラスに作用するということだ。
しかし、このようなGMの戦略は最初から無理がある、と専門家は指摘する。シボレーというブランドが世界的にさほど広まっていない上、実際に大宇車全体がシボレーとなった場合、希少性が失われてしまうことから、内需拡大にはつながらないということだ。さらに大宇自販の販売網に関しても、合理的に引き継ぐのではなく、強制的に奪い取るような形となった。この結果、GM大宇はGM本社の収益性を高めることだけに利用されている、という印象を持たれ、韓国のユーザーには歓迎されないということだ。
崔元碩(チェ・ウォンソク)記者
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