米兵の飲酒運転と認定 読谷ひき逃げ

県警、事故統計に含む

2010年3月26日 09時26分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 読谷村楚辺で2009年11月、同村の男性=当時(66)=が車にはねられ死亡した事件で、ひき逃げの道交法違反(救護義務違反、事故不申告)と自動車運転過失致死罪に問われている米陸軍所属の2等軍曹クライド・ガン被告(27)が、事件当時、飲酒運転だったとして、県警の「飲酒絡みの人身事故統計」に含まれていることが25日、捜査関係者への取材で分かった。

 県警や検察はこれまで、事件当時のガン被告の飲酒状態について発表していない。一方、ガン被告の弁護人は飲酒運転を否定している。

 県警交通企画課がまとめた統計によると、09年中に県内で発生した米軍人や軍属らの飲酒絡みの人身事故は10件。その中に、読谷村楚辺のひき逃げ死亡事件のほか、同年4月に那覇市松山で男女3人が大けがを負ったひき逃げ事件も含まれていた。

 ガン被告は事件後、逃走したため、アルコール検知での飲酒の証明はできなかった。だが、県警は、事件前の足取りのチェックや関係者らの聞き込みなどを行い、飲酒の実態が判明したという。

 アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で、交通死傷事件を起こした場合、危険運転致死傷罪が適用(負傷させた場合は15年以下の懲役、死亡させた場合は1年以上の有期懲役)されるが、逃走後にアルコールが抜けて飲酒の証明ができない場合は、同罪より刑が軽い自動車運転過失致死傷罪(7年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金)、道路交通法の救護義務違反(10年以下の懲役または100万円以下の罰金)の適用となる。

 捜査関係者は「米兵が飲酒運転でひき逃げしても、基地内に逃げ込めば被疑者の発見も遅れ、結果的に『逃げ得』になる」と指摘した。

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