審判が見る「お手本DVD」
キム・ヨナ高得点の謎
(AERA 2010年4月12日号掲載) 2010年4月8日(木)配信
新ルールは大改革
バンクーバー五輪では、男子の試合前、審判員同士はジャッジ基準の確認をした。そこで上映された映像に登場したのは女子ばかり。男子の映像は早送りして、見ないようにしたのだ。それは、国際スケート連盟も、「お手本DVD」が与える影響を恐れたためとも考えられる。
採点競技は評価にばらつきがでないように、関係者は気を使う。なかでも、フィギュアは、2002年のソルトレーク五輪で、ペア競技において、審判員買収疑惑が浮上。04─05シーズンから、現在の新ルールに改正された。
国際スケート連盟関係者はルール改正について、こう話す。
「百年続いたルールがひっくり返るほどの大改革だった」
改正の大きなポイントは、相対評価から絶対評価に変わったことだ。従来は、参加選手間での順位づけが目的。点数の明確な基準がなく、主観が入り込む余地があった。そこをより客観的なものに変更したのが、現行ルールなのだ。
評価要素は、技術点と演技構成点の二つ。技術点は、ジャンプ、スピン、ステップの各項目で、何をどのレベルで演じたかで基礎点が算出される=チャートの注釈参照。
演技構成点はスケート技術、振り付けなど五つの要素に応じて、10点満点で評価される。
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