東京中日スポーツ 55周年企画
スペシャルサポーター郷ひろみ登場!
読者だけにジャケットプレー!
トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > 紙面から一覧 > 記事
【格闘技】亀田ジム 存続へ 同ジム五十嵐会長の上申書丸のみ2010年4月13日 紙面から
亀田ジム、一転存続へ−。東日本ボクシング協会は12日、定例理事会を開き、3月27日のWBCフライ級王座統一戦で亀田興毅(23)が敗れた後、父・史郎氏(44)が暴言を吐いた問題で、五十嵐紀行会長(35)の処遇を検討した。理事会の冒頭で提示された史郎氏のボクシング界撤退、亀田ジムの無期限活動停止という“亀田案”を丸のみ。前回の緊急理事会で「除名」に傾いていた処分を見送った。大橋秀行協会長は今後の亀田ジムについて「五十嵐会長で」とジム存続を示唆した。きょう13日には、JBC倫理委員会で史郎氏、五十嵐会長のライセンスについて協議する。 東日本協会は何も決められなかった。亀田陣営が差し出した史郎氏の“首”、五十嵐会長の“身柄”と引き換えに、処分を先送りした。「今後も五十嵐会長で。ジムの会長、トレーナー、マネジャーがきちんと機能するのか。調査委員会で判断したい」。大橋会長は五十嵐会長を除名処分とせず、亀田ジム存続を示唆した。 理事会の冒頭、五十嵐会長は史郎氏に関する謝罪文と上申書を提出。上申書には(1)五十嵐会長の協会員としての資格を無期限停止。ジムも無期限で活動停止(2)資格停止解除の判断は協会に委ねる(3)興毅、大毅、和毅を協会預かりに(4)以上を守らなかった場合、除名処分になっても異論を述べない−の4点が記されていた。 上申書を読んだ19人の理事は満場一致で受諾に賛成。絶体絶命だった亀田陣営の大ばくちが的中した。「上申書の内容を評価している。謝罪文では史郎氏のセコンドライセンス返上、ボクシング界から退く、と。そういったものを踏まえて除名処分と言う人は一人もいなかった」(大橋会長)。協会は“亀田案”をあっさり丸のみ。1週間前は「除名」が多数を占めていた理事会が、一瞬にして腰砕けとなった。 ジムが無期限活動停止となった3兄弟の所属は協会預かりとなる。試合をすることは可能だが、自宅兼ジムで練習することはできない。練習するジムの確保や初防衛戦を控える大毅の試合契約など問題は山積だ。「決まったばかりでまだ何も分からない。早急に決めたい」と大橋会長の歯切れは悪い。 協会は調査委員会を設置し、暴言の処分、練習環境、ジムの再建案など今後の対応を検討していく。委員会の人選や期間は未定で、実効性には疑問符がつく。最大の課題は、やはり史郎氏と亀田ジムの関係だ。ボクシング界からの撤退を表明した史郎氏が、本当に亀田ジムと決別できるのか−。大橋会長は、なんと資格停止を申し出た五十嵐会長に“丸投げ”した。「そこは五十嵐会長にしっかりやってもらうしかない。信用している」。正確なかじ取りどころか、協会としての案を何ひとつとして示すことすらできなかった。 (森合正範)
|