東日本協会が腰砕けとなった。6日の緊急理事会では五十嵐会長を除名処分にする意見が相次いだため、運営責任者を失う亀田ジムが事実上“消滅”に追い込まれる可能性もあったが、事態は急転。その理由は五十嵐会長から提出された上申書にあった。
上申書には(1)史郎氏がセコンドライセンスを日本ボクシングコミッション(JBC)へ返上し、今後はボクシング界から身を引く(2)五十嵐会長の会員資格と亀田ジムの活動を無期限で停止する(3)興毅、WBA世界フライ級王者の次男・大毅(21)、三男・和毅(18)は東日本協会預かりで試合に出場する(4)再び騒動を起こした場合は、五十嵐会長を除名処分にしても構わない−という“4カ条”が明記された。
これを受け、東日本協会の姿勢は一気にトーンダウン。この上申書を出席した理事19人全員が受け入れ、今後は調査委員会を設置して、改めて五十嵐会長に処分を下すことで一致した。処罰が先送りされたことに東日本協会の大橋秀行会長(45)は「早急に決めていきたい」と苦渋に満ちた表情を浮かべた。
活動停止を宣言した以上、3兄弟は亀田ジムでの練習は禁止となるが、亀田家は自宅兼ジムとなっており、監視の目が届くかは不透明。練習の受け入れ先も決まっていない。一方、WBA世界フライ級王座を保持する大毅が、所属先がジムではなく東日本協会預かりという異例の立場で世界戦を行えることにもなる。
この日、WBC懲罰委員会に出席するため、メキシコへ出発した史郎氏の先制パンチを避けきれなかった格好の東日本協会。今後、難しい判断を迫られることになりそうだ。