民主党岐阜県連(代表・平田健二参院国会対策委員長)は12日、「政治とカネ」の問題で執行部の刷新を求める緊急申入書を鳩山由紀夫首相(党代表)あてに提出した。地方組織が公然と執行部刷新を要求するのは初めて。
申入書は「厳しい世論の評価で、内閣支持率は政権発足後最低の30%前半まで大きく下落」と指摘。「政治とカネの問題に関し、さらなる説明責任を果たすとともに、政権政党として責任ある体制を考え、速やかに新体制を築くこと」を要望している。
ただ、平田氏はこの日の党役員会で、「岐阜県連の総意ではありません」と小沢氏に口頭で伝えた。岐阜県連内で申し入れに慎重だったという平田氏は、「新体制」の意味について「どういうことか分からない。そんなに重きを置いていない」と記者団に説明した。
県連関係者によると、文案を作成する過程で県連顧問の渡辺嘉蔵・元衆院議員らから「小沢幹事長の辞任を念頭に文言を強めるべきだ」との意見が出たという。県連幹部は「『新体制』の言葉を透かしてみれば、『小沢辞任』と書いてある」と述べた。
一方、小沢氏はこの日の記者会見で「平田君から、こういうときこそ頑張ろうという考え方であると説明いただいた。一致協力して、選挙の勝利を獲得しようとの気持ちに変わりない」と述べた。小沢氏に近い党幹部の一人は「対応する必要なんて全然ない。無視すればいい」と強気の姿勢を示した。